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建材製品
用語集
あ
I型鋼
読み:あいがたこう
「I形鋼」とは、その名の通り断面がローマ字のIの形をした鋼材のこと。経常的にはH形鋼と呼ばれる鋼材に類似しているが、同一サイズではI形鋼のほうがH形に比べて板厚が厚く、重量、剛性ともに大きいことが知られている。I型ジョイスト、アイビームなどと呼ばれることも。一般に形鋼といった場合には、熱間での圧延により作成される重量型形鋼のことをさす。I形鋼もこの重量形鋼のひとつ。他に、H形鋼や山形、溝形、Z形鋼など多くの種類があり、土木や建築用の柱や梁などに使われる。断面の形によって、力学的合理性、使用目的が異なっている。通常は鉄製品であり、最終的には塗装されることが多い。多くの場合は無塗装の、「圧延まま」と呼ばれる状態で流通している。
亜鉛メッキ鋼板
読み:あえんめっきこうはん
「亜鉛メッキ鋼板」とは、その名の通り亜鉛メッキ加工を施された鋼板のこと。鋼板を亜鉛で覆うことにより耐久性の向上を狙ったもので、亜鉛鉄版、亜鉛メッキ鉄板、トタン板、亜鉛引き鉄板、トタンなど、呼び名は様々。亜鉛の表面に酸化被膜が形成されるため水に強い材料である。また、亜鉛は鉄よりもイオン化傾向が大きいため、亜鉛をメッキすることよって、鉄の腐食を防ぐ効果も。このため、屋外で使用する際には7?10年に1度程度、再塗装しなければ腐食が進行してしまう。一般に亜鉛メッキ鋼板という名前を聞いた際には、溶融亜鉛メッキ鋼板をさすが、電気亜鉛メッキ鋼板など他の種類もある。特に電気亜鉛メッキ鋼板は有名で、亜鉛をメッキした薄鋼板にリン酸鉄と酸化マンガンを用いて、化学的防食処理を施したものである。
赤さび
読み:あかさび
「赤さび」とは、鉄が大気中や水中の酸素によって酸化され、酸化第二鉄になったものだ。名前の通り、赤色を呈している。赤さびはもろく、発生すると構造体の強度を落とすうえ、水に溶けやすく、さびの進行が速いのが特徴。住宅では、水道管に発生するものがもっとも一般的で、かつ被害が甚大である。鉄を材料に用いている以上、自然発生するのを避けるのは非常に困難と言える。同じさびでも、黒さびと呼ばれる四酸化三鉄は、赤さびと異なり酸化鉄の密な構造だ。この黒さびは自然発生することはなく、人工的に高熱をかけたり、メッキ処理をしたりすることで材料表面を修飾する。表面を黒さびの膜で覆うことによって、さびの劣化から鉄材料を守る働きがある。
圧接式グレーチング
読み:あっせつしきぐれーちんぐ
圧接式は、ベアリングバーとクロスバーを密着させ、熱と圧力を加えて金属同士を融合させて接合する「圧接製法」で製造します。ベアリングバーに穴をあけてクロスバーを通す組立式と異なり、ベアリングバーを欠損させることなく、金属同士を融合させて接合させますので、とても頑丈です。
圧延
読み:あつえん
2本の回転ロールで材料を延ばしたり成形したりすること。この方法で作られた金属製品を圧延品という。また圧延機のことをミルともいう。再結晶温度以上の高温で圧延することを熱間圧延といい、厚板・ステンレスのアングル・チャンネル・丸・四角・平棒などは熱間圧延で作られる。一方、再結晶温度未満で圧延することを冷間圧延といい、主に薄板の製造に用いられる。
アンカー
読み:あんかー
「アンカー」とは、部材や器具などを建物へ取り付けるために打つ、抜けにくい構造をした鋲のことで、船のいかりの「Anchor」が語源だ。アンカーを固定する方法には、いくつかの種類がある。基礎と土台を直径15mm、長さ550mm程度の鉄製のアンカーボルトでつなぎ、基礎コンクリートを流す際に埋設する「埋め込み式」。ネジを利用して羽根がパンタグラフのように開いて固定する「はさみ固定式」。そして施工後の壁面に打って固定する「内部拡張式」など。このような金属製のアンカーの他に、樹脂系後施工アンカーがある。これは、コンクリート硬化後にドリルで孔をあけ、接着材でコンクリートとつなげるアンカーボトルだ。
アンカーボルト
読み:あんかーぼると
鉄骨の柱脚部や木造建築の土台などを基礎に緊結する埋め込みボルトを指す。
引き抜き力や剪断力に耐えるために、所定の埋め込みの長さと径の大きさを確保することが重要となる。
アングル
読み:あんぐる
「アングル」とは、鋼材のひとつで山形鋼とも呼ばれる。等辺山形鋼のことを限定して、アングルとも言う。本来は角度のことをアングルと呼ぶが、直角の断面を持ち、左右の長さが均等な物を呼ぶようになった。横にすることによってL字型に見えることから、L字鋼とも呼ぶ。不等辺山形鋼や軽量山形鋼も存在するが、アングルと呼ぶことはない。基本は鋼材だが、樹脂製の物もあり、サッシの仕上げ材として使われることが多い。似たような物にチャンネルがあるが、これは溝形鋼のことであり、断面がコの字になっているところがアングルとは異なる。I型の物がアイビーム、真っ平らな物をフラットバーと呼び区別する。
アール
読み:あーる
半径。Radius(半径)の頭文字。
[1]円弧や球面などの大きさを、図面上では「R10」(半径10mmの場合)などと表記する。
[2]アールは幾何学的な円弧を指し、自由曲線の丸味とは区別される。ひとつの半径からなる曲線や面は「単アール」と言う。
[3]構成材などの隅や角を丸くすることで、「アールで結ぶ」「カドアールをつける」などと言う。
RC造
読み:あーるしーぞう
鉄筋コンクリート造の略称で、単にRCと呼ぶこともある。鉄筋は引張に、コンクリートは圧縮に抵抗するよう組み合わせ、両者の付着によって強度の高い構造体をつくり、壁で力を支える壁式構造と、柱とはりで力を支えるラーメン構造とがある。
造り方は、柱、はり、壁、床の鉄筋をあらかじめ組み上げておき、その周りに合板で型枠を造り、その中にコンクリートを流し込む。
この構造は、耐震性、耐風性、耐火性、耐久性に優れているため、中高層建築物に適しているが、低層の個人住宅でも用いられることがある。
自重が大きいため、十分な基礎工事を必要とし、他の工法より工期が長く、工事費も高くつく。
い
入隅
読み:いりずみ
入隅とは、壁と柱や壁同士が、内側に向き合ってできる窪みのことである。現場では、ある地点(測定基準点と呼ぶ)から入隈までの距離を図り、そこまでタイルが何枚貼れるかを判定する、といった使われ方がされる。入隅や出隅の箇所は平面部分より強度が弱く、建築設計の分野では、平面的に整形とされるのは入隈が3か所までで、これが4か所以上となると平面的に不整形とされ、耐震性等に問題ありとみなされるケースが多くなる。入隅では経年変化でひび割れができ、だんだん大きくなると躯体コンクリート内部にまで水分が侵食し、雨漏りの原因となり、躯体強度にも影響を与えてしまう。そうした事態を未然に防ぐため、大規模修繕工事ではウレタン防水などが施される。
インバート桝
読み:いんばーとます
「インバート枡」とは、一般的には汚水枡のことを指す。枡の中に配管と同型の溝を切った汚水枡のことで、汚水排水や雑排水をスムーズに流すための仕組み。マンホールの底部に設ける場合もある。配管の断面と同じように型を作ることを、インバートを切ると言う。正式には英語でcess pit in invertと呼ばれ、管の底(invert)に設けられた汚物用の穴、と言う意味。汚物によって管が詰まるのを避け、汚水を流れやすくするように、升の底に管の半分が食い込むように彫り込まれている。管の詰まりを避け、清掃や点検が容易にできるようにするため、敷地内の汚水間の要所に設置。プラスチックでできている物もある。
う
ウレタン防水
読み:うれたんぼうすい
ウレタン防水は、建築や工業用途において広く使用される防水材料の一種です。液体状のウレタン樹脂を塗り付けることで、ゴム状で弾性のある防水膜を形成します。手作業で仕上げる工法のため、複雑な形状をした塗面にも対応できます。
新築・リフォームともに人気のある防水対策であり、屋上(陸屋根)、ベランダ・バルコニー、スレート屋根、駐車場など、幅広い場所で使用されています。
建物には細かな隙間があり、水の浸入を許せば劣化を早めてしまいます。ウレタン防水は乾燥するとウレタン樹脂が硬化し、隙間やジョイントを埋めることで防水性を高めます。
ウレタン防水のメリット・デメリット
え
H形鋼
読み:えいちがたこう
「H形鋼」とは、H型の断面を持つ形鋼のこと。他の形鋼に比べると、重量当たりの曲げ剛性や曲げ強度である断面効率が優れているという特徴がある。「傾向の価格変動」について取り上げられる際は一般的に、このH形鋼のことを指す。道路網の整備や建物の高層化、都市の再開発、土地の造成などに使用される建設資材だ。建物、船舶、橋梁などに用いられる構造材用と建築物、高速道路、橋梁、岸壁などに用いられる基礎杭用に分けられる。垂直ロールと水平ロールからなるユニバーサル圧延機で作られる。H形の横の部分は「ウェブ」縦2本の部分は「フランジ」と呼ぶ。1960年代に日本での生産が始まり、1968年に竣工の霞が関ビルで語句圧のH形鋼が大量に使え荒れたことをきっかけに普及した。
SS400(一般構造用圧延鋼材)
読み:えすえすよんひゃく
一般構造用圧延鋼材(SS材)で一番よく使われる鋼材である。切削加工・溶接加工も問題なくできるが、炭素の含有量が約0.2%と少ないため焼入れ・焼き戻しはできない。(硬度を高めることが出来ない材料)鋼材、板材、棒材、形鋼など様々など種類も豊富なため、幅広い用途で使用される。弊社でも多数の加工実績がある。
S造
読み:えすぞう
「鉄骨造・剛構造」とは、建築物において強固な基礎、そして梁や柱などを太くし、しっかりと固定する構造のこと。「鉄骨造・剛構造」は、地震が起きた際、地盤の変動に影響されることから、小規模地震では揺れを感じにくいとされ、中規模程度と言われる地震(震度5弱程度)があったとしても建物自体の損傷はないと言われている。また、剛構造に対し「柔構造」と呼ばれるものがあり、この構造は揺れなどが発生したときに建物自体の構造によってその揺れを吸収し、倒壊などを防ぐといった特徴を持つ。これは部材などの伸縮、もしくは部材の組み方によって生まれたしなやかさを利用したもの。昔から建てられている五重塔などが大きな地震がきてもなお、建っているのはこの「柔構造」だからだと言われている。
FRP防水
読み:えふあーるぴーぼうすい
「FRP防水」とは、ガラス繊維強化プラスチックを使った防水工法のこと。FRPとはガラス繊維を使ってプラスチックを強化した物で、これを不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を混ぜた物と組み合わせることで防水効果を発揮する。強度が高いだけでなく耐食性や耐候性にも優れ、高い耐水性を持たせることができる。軽量であると言うことから屋上防水に向いており、トップヘビーを防げることも大きなメリット。一般的な防水材に比べて極めて耐久性が高いため、保護層を作らずに施工できる。FRP防水の問題は、施工時にかなりの臭気が出ることで、対策をしなければならない。
FCD500(ダクタイル鋳鉄)
読み:えふしーでぃーごひゃく
FCD500とは、球状黒鉛鋳鉄(ダクタイル鋳鉄)の一種です。FCD500の500という数字は、引張強さを表します。ダクタイルとは「延性のある」という意味で、文字通り引張強さ・伸びに優れ、片状黒鉛鋳鉄に比べて数倍の強度があり、靭性が優れています。球状黒鉛鋳鉄の中で、FCD450とFCD500は流通性が高く、多く使われている材質です。
FC200(ねずみ鋳鉄)
読み:えふしーにひゃく
FC200とは、ねずみ鋳鉄又は普通鋳鉄と呼ばれる鋳鉄の一種です。特に引張強さが200 MPa以上のものを指します。鉄鋼よりも強度が低いものの硬く、切削性に優れた素材です。耐熱性や耐摩耗性、振動減衰性にも優れるため、エンジン部品や耐磨耗部品などに用途があります。しかし、塑性加工や溶接には向いていないため、鉄鋼のような万能性のある素材であるというわけではありません。FC200の後部における3桁の数値は、引張強さを示しています。JIS規格においては、引張強さの異なるねずみ鋳鉄が6種類(FC100からFC350まで)定められています。
エポキシ樹脂
読み:えぽきしじゅし
「エポキシ樹脂」とは、エポキシ基を持つ合成樹脂のこと。熱硬化性樹脂の総称でもある。樹脂と硬化剤でできており、交互で繋がりを持つ特性を持っている。そのため、硬化剤の種類によって、その特性を大きく変化させることが可能。交互で繋がる特性のため、配合比は正確に守らなければならない。接着剤として利用されている他、パテとして欠損部分の成型に使われることも。その他塗料としても重宝されるなど、様々な用途がある。耐水性が高く、耐薬品性や耐食性にも優れているため、いろいろな場面で用いられるようになった。特性として靭性が低いので、補うために改質剤としてポリウレタンを添加することがある。他にも骨材を混ぜたエポキシ樹脂も存在。硬化時にガスを発生させるため、扱いには十分注意する必要がある。
塩化ビニル樹脂
読み:えんかびにるじゅし
「塩化ビニル樹脂」とは、塩化日にビニルを儒号させて得られる高分子化合物であるポリ塩化ビニルを指し、塩ビ、あるいはビニールと略される。PVCと表記される場合もある。もっとも一般的な熱可塑性プラスティックで、各種日用品の他、ボードや壁紙の表面材など幅広く使われている合成樹脂だ。軟質ポリ塩化ビニルアは、ソフトビニール、ソフビなどと呼ばれる。塩化ビニルを重合させただけの樹脂は硬くてもろく、劣化しやすい。利用するためには可塑剤と安定剤を加えなければならない。添加する可塑剤の量によって皇室にも軟質にもなることが知られている。優れた耐水性・耐酸性・耐塩基性・耐溶剤性を持つことが知られている他、難燃性であり、電気絶縁性である。
塩ビ管
読み:えんびかん
「塩ビ管」とは、塩化ビニル管の略称であり、塩化ビニル樹脂を主原料とした配管材料だ。塩ビ管は、金属を用いた配管材料と異なり赤錆(さび)などが出ないため、上下水道管、電線管、土木用など様々な部分に使用されることが多い。塩ビ管は、腐食に強い塩化ビニルを主原料として用いているだけでなく、良質な安定剤や顔料を加えて、加熱した押出成形機によって成形される。このため、管内は非常に滑らかで摩擦抵抗が小さく、異物の発生や付着を少なくでき、結果として効率の良い通水ができる。また、軽量なため取り扱いも非常に容易だ。耐薬品性、耐久性にも優れているので、酸性土壌の影響や汚水中の酸、塩基による劣化にも強い。塩化ビニルを主原料としていて塩ビ管よりも軟質の物は塩ビチューブと呼ばれる。
塩ビシート
読み:えんびしーと
塩化ビニル樹脂を主原料としたシートのこと。耐水性・耐久性に優れ、傷も付きにくく、丈夫で、メンテナンスも容易なため、内装用の仕上材として定評がある。
ALC
読み:えーえるしー
「ALC(Autoclaved Lightweight Concrete)」とは、高温高圧蒸気養生された、軽量気泡コンクリートの頭文字から名付けられた建材のこと。細かい気泡が入っているため、比重は水より軽く、断熱性に富んでいる。板状に加工したALCパネルは、鉄骨住宅の外壁材や床材に多く利用されていて、現在建築に欠かすことのできない資材だ。ALCパネルがヨーロッパから日本国内に導入されたのは1962年のことである。主原料は、セメント、珪石、発泡剤のアルミ粉末、生石灰。180度の高温と10気圧の高圧蒸気の中で約10時間養生することで、耐久性と強度を備えた製品となる。
お
応力
読み:おうりょく
「応力」とは、ストレスのこと。物体に外圧をかけたときに、その力に対して抵抗する力があるが、これが吊り合っている段階では、物体は破壊されることがない。この単位面積あたりの力が応力である。外圧よりも応力が低くなれば、必然的に破壊してしまう。建物に地震や風などで力がかかったときに、抵抗できる応力を持っていれば、耐えられる建物であると言える。これは、積載荷重などにも言えることであり、様々な面で発生。そのため、引っ張りや圧縮、せん断、曲げにおいても応力は存在し、構造設計上、とても重要な要素となってくる。単位はN/㎡で表されるが、以前はNではなくkgfが使われていた。
屋外給排水
読み:おくがいきゅうはいすい
「屋外給排水」とは建物の内部の配管と敷地内の建物の外の配管とを分けた際の、外部の配管のこと。「屋外給排水工事」といった場合は、生活に使う水と、生活排水の配管を、敷地内に設置する工事のことを指す。排水の場合は排水箇所からの合流点に、点検用マスを個別に設置しなければならない。この中に給水や配水本管(道路に埋設している自治体管理下にある配管)より、私有地に枝管として引き込む工事が含まれる場合もある。雨水を含む場合や雨水排水管工事と分ける場合もあるが、土地や見積もりする業者によって異なる。また、地域によって、下水道などが通っていない場合は、屋外給排水だけでなく、生活排水を処理して放流するための浄化槽工事が必要だ。
屋上緑化
読み:おくじょうりょくか
「屋上緑化」とは、家屋やビルなどの建築物の屋根や屋上に、植物を配置することで緑化を図ること。期待される効果は植物による建築物の断熱、景観の向上、防音性の向上など。また、「屋上緑化」と同時に、屋上スペースを生かす形で、屋上庭園として活用するケースも見られる。実際に「屋上緑化」するには、いくつかの条件をクリアする必要がある。屋根・屋上には厳重な防水が必要で、かつ伸びてくる根については防根シートなどを配さねばならない。植物に対しては、水の供給をどのようにするかという問題があることと、土壌の質の維持が必要。また、重い土や水を建築物の最上部にのせることを考えると、建物には重量に対する十分な強度が必要である。
汚水
読み:おすい
「汚水」とは、住宅設備の場合は、水栓便器から排出される汚物を含んだ排水のこと。これに限らず一般的には、一般家庭や事業所、工場から排出される汚濁した水を指す。下水道内を流れる水を雨水と区別する際にも用いられる言葉だ。汚水がそのまま公共の下水道に流れ込んだ場合、危惧されるのは、汚水に含まれる有害物質によって、下水道の老朽化を早まること。そして、下水処理場での処理が間に合わなくなることだ。これを避けるために、各事業所は条例によって定められた規則にのっとって除外施設を設け、下水道への排水前に汚水から有害物質を除去することが下水道法によって定められている。汚水と生活雑排水はほぼ同義であるが、汚水はし尿を含む排水で、生活雑排水は台所や風呂から出るし尿を含まない排水、と区別する。
落とし込み
読み:おとしこみ
「落とし込み」とは枠の溝に薄い板材を入れて動きを規制する構造のこと。溝にすき間を多めに確保し、板をスライドする、あるいは、分解や組み立てが容易にできるようにした物。食器棚のガラスの引き戸などに使われる。開放スペースがある程度必要なドアのように、建具を前後に動かす開き戸方式とは違い、引き戸は場所を取らず、スライドさせるだけで簡単に部屋をつないだり、区切ったりできることが最大の特徴。日本の室内空間に見合う構造として開き戸より普及してきた。近年では4寸(12cm)角以上の柱や、土台、梁で構造体を造り、柱と柱の間にスギの1寸(3cm)の厚板を落とし込んで壁を造る「落とし込み板壁構法(板倉構法)」が注目されている。
踊り場
読み:おどりば
「踊り場」とは、階段の途中に設けられる、やや広めの平らな場所を指す。建築基準法では、建物の面積や用途によって階段の寸法は決められており、踊り場を設置する位置(高さ)も規定されている。踊り場の役割・利点は、階段を方向転換すること、転落時の落下距離を短くすること、小休止できること、直線階段に比べて階段スペースを小さくできること、など。百貨店では、ベンチなどを設けて休憩場所として利用されていることもある。踊り場が階高の中間にある場合、各階の梁が出っ張ってしまうことがあるが、実際に建物が完成した際、突き出た梁には埃がたまりやすく、かつ掃除もしにくい部位となるため、設計段階での慎重な考慮が必要。
OAフロア
読み:おーえーふろあ
床の上にネットワーク配線などのための一定の高さの空間をとり、その上の別の床を設け二重化したもの。
OAフロアは、オフィスの配線を床下に収納することで、床上の配線をなくし、オフィスのデザインや安全性を向上させるために用いられる。また、配線の移動や交換が容易なため、オフィスのレイアウト変更や設備の増設にも対応しやすいというメリットがある。
か
開口部
読み:かいこうぶ
「開口部」とは、建物の出入口の他、採光・通風・換気・眺望を得ることなどを目的として壁・屋根に開けられた部分で、玄関・勝手口・窓や天窓を指す場合が多い。設置する場所や目的によって、サイズ・形状も様々。また、「開口部」自体が外気温の影響を受けやすいため、室内の冷暖房効率が変化する。その場合は、カーテンを使用したり、断熱効果の高い建具を選択したりすれば、ある程度コントロールが可能。注意したいのは、開口部を設けることで建物自体の強度に影響が出る場合があり、柱や壁とのバランスがうまく取れる場所に設置されていなければならない。
改質アスファルトルーフィング
読み:かいしつあすふぁるとるーふいんぐ
「改質アスファルトルーフィング」とは、改良アスファルトを利用したルーフィングのこと。アスファルトに合成ゴムや合成樹脂を混合していることで、低温性状や高温性状を改良できるようになった。耐久性も向上しており、建物の屋根の防水として重要な素材だ。ルーフィングが存在しないと、屋根から雨が侵入するだけではなく、劣化も早くなる。屋根の寿命を延ばすという意味でも、高性能な改良アスファルトフィーリングは重要であると言える。フィーリングは必ずタッカー留めすることになる。その際に改良アスファルトフィーリングは、タッカーの周りにまとわりつくことによって、漏水を防ぐことができるため、有効な手段だ。
階高
読み:かいだか
「階高」とは、複数の階層がある建築物で、下階の床高から上階の床高までにわたる高さのこと。リフォーム用語としては、マンションなどで、下の階の床仕上げ面から上階の床仕上げ面までにわたる高さのことをあらわす。あわせて躯体(くたい)天井高と言う場合は、「階高」から天井スラブ厚を引いた高さのことである(スラブ=コンクリート製の構造部分)。「階高」は、リフォームなどで変更することができない部分であるため、物件の購入前に確認が必要。おおむね「階高」が3m以上取られている物件であれば、床下・天井裏に、配線・配管を通すための十分な空間が確保され、かつ直床・直天井ではなく二重床・二重天井となっていると推測されるので、将来のリフォームがしやすい物件であると考えて良い。
改築
読み:かいちく
「改築」とは、現状ある建物を作り直すこと。主要構造部分のすべてを直すことも改築と言える。一般的にはリフォーム的な部分改修のことを指すが、法令上は全部もしくは一部を除去して建てることを呼ぶ。従前の物と著しく異なる物を建てる場合には、新築や増築となる点が重要と言える。そのため、材料の新旧などは一切関係ないというところでも、一般的な認識とは差がある点に注意しなければならない。大きく構造を変えなければ改築となることから、木造の一部を鉄筋コンクリートに変えたりすることも改築となる。理論上、建築行為として新築であっても、用途制限上は構造が問題にはなってこないことから、改築となることさえ起きる。あいまいな表現でもあることから、用途が同一であれば改築として扱うことが一般的だ。
界壁
読み:かいへき
「界壁」とは、一般的に共同住宅などにおいて、利用者や所有者が異なる隣室との境界にある、各住戸間を区切る壁のこと。別名、戸境壁とも呼ぶ。界壁は、建築基準法において、遮音上問題となるようなすき間のない構造でなければならないと定められている。また、主要構造部と考えられるため耐火建築物では耐火構造、その他の場合は準耐火構造とし、小屋裏または天井裏に達するような壁にする必要がある。そして、平面図や断面図などには、注釈として記載しておく。共同住宅の他に、学校や病院、児童福祉施設、ホテルなどの当該用途に供する部分についても、これに準ずる。また、住宅性能表示制度においても、界壁は耐火等級の評価項目となっている。
笠木
読み:かさぎ
「笠木」(かさぎ)とは、塀、手摺(てすり)、腰壁、パラペットなどの最上部に施工する仕上げ材のこと。また、室内の階段まわりに設ける手摺壁の最上部にかぶせられる木製の部材のことも、同じく笠木と呼ぶ。笠木には、金属製や木製、モルタル製などがあり、一般的には、笠木を取り付ける場所と同じ材質か、金属製の物が使われる。金属製の笠木は、パラキャップとも呼ばれる。もともと笠木とは、鳥居や門などの一番上にある立派な木のことであった。そこから、雨水や紫外線が当たるベランダや、外壁の最上部に取り付けられ、腐食から躯体(くたい)を守る物を笠木と呼んだ。笠木が劣化すると、継ぎ目部分から雨漏りをし、内部が腐食してしまうことがあるので注意が必要である。
飾り格子
読み:かざりこうし
「飾り格子」とは、サッシ枠に組み込むことで取り付けられる装飾格子のこと。防犯上取り付けられることもあるが、デザイン性を高めることを目的として付けることが多い。サッシ枠に取り付けるのではなく、外壁から取り付ける面格子もある。飾り格子を取り付けることによって、人が通れる隙間をなくすことができ、これにより、防犯性を高められる。人目に付きにくい台所やトイレ、風呂場などの窓に取り付けることが多い。トイレや風呂場などは、のぞき防止に曇りガラスと併用することで、さらに信頼度を上げることができる。マンションなどでは、共用廊下に面するようなところに取り付けることで、プライバシー保護にも役立つ。様々なデザインの物が使われているため、意匠的な部分でも使われることもある。
荷重
読み:かじゅう
「荷重」とは、構造物が外部から受ける力のうち、地球の重力加速度を原因として感じる重さのことを言う。住宅などの建築物には、建物自体の重さや建物の中で暮らす人や家具類の重さ、風、地震など、様々な力がかかる。このうちの、建物自体の重さを「固定荷重」、人や家具の重さを「積載荷重」と言う。また、雪国における積雪による力は、「積雪荷重」と呼ばれる。法令上では、地震力や風圧力、土圧や水圧などのように作用するか分からない力については、荷重という用語は使わない。しかし、「風荷重」「地震荷重」なども慣用として使用される。建築基準法では、これらの荷重や地震による振動、衝撃などに対して、技術的な基準を定めている。
型枠
読み:かたわく
「型枠」とは、コンクリートやモルタルを打設するための流れ止めのこと。硬化が終了したのちに解体して開放する。合板を用いて開かないように固定することが必要だ。通常、型枠を貫通させて使うセパレーターを用いる。拘束する力が重要であり、打設するコンクリートやモルタルの自重に耐えることの他、バイブレーターの使用や打設時の圧力にも耐えることが必要となる。拘束力が重要であり、強度を出すためにもなくてはならない。数回繰り返して使うが、板が傷むことによって、適切な強度を保てなくなる。打ちっぱなしの場合などは、表面加工された化粧板を使う。住宅基礎などでは、連続で使用できるメタルフォームを使用することが多い。
型枠工事
読み:かたわくこうじ
「型枠工事」とは、コンクリートを使用する建築工事の際に必要な手順のひとつで、建造物の骨組みを鉄筋や鉄骨で作り、周りをパネル板で囲って中にコンクリートを流し込んで鋳造するための手法。または一連の作業のことを言う。具体的には型枠の計画から、コンクリートをはじめパネル板などの材料の準備、下ごしらえ、パネル板の組み立て、検査、解体、整理などがある。こうした型枠工事を専門職とするのが「型枠大工」であり、パネル板を加工して設置する役割を持つ。マンションやビルなどの高層建築物以外にも、大規模な住宅の基礎や土台、道路、橋、トンネルなど、コンクリートを使用する工事はすべてこの型枠工事が行なわれる。最近ではコンクリートの打設にポンプ圧送工法が普及したり、型枠材として合板を用いたりするなどの工法の合理化、機械化が進められている。
カチオン電着塗装
読み:かちおんでんちゃくとそう
「カチオン電着塗装」とは、電極を利用した塗装方法のひとつ。低濃度で水溶性の電着塗装中に、被塗装物を浸漬させ陰極とし、直流電流をかける塗装方法である。電極付近では塗料が化学反応を起こし、不溶性の樹脂となり、複雑な形状質の物も、細かな隙間までピンホールなく均一で密着性の良い厚い塗膜を形成。塗膜は防錆性能に優れ、1000時間以上の塩水噴霧試験に合格するなどの耐久性をほこる。エポキシ樹脂系塗料で表面がコーティングされるので、耐防食性が従来と比較すると飛躍的に向上するなどのメリットがある。カチオン電着塗装は陽イオンであり、陰イオンのアニオン電着塗装も同じ電着塗装の一種。現在では、防食を目的とする電着塗料の多くに、カチオン電着塗料を使用している。
壁厚
読み:かべあつ
壁厚とは壁の厚さのことである。壁厚を厚くすることで部屋の遮音性を高めることができる。マンションやアパートなど住居者の遮音・防音性能の需要の高まりと共に、厚みの平均は増してきている。音の感じ方には個人差があるが、壁厚が150mmあれば遮音性が十分とされている。また、木造住居のツーバイフォー、ツーバイシックス工法では通常よりも外壁厚を高める。そうすることで、壁の強度と断熱性能が上がり、耐震性や耐火性能も高まる。
換気
読み:かんき
「換気」とは、室内の空気と外気を入れ替えることにより、新鮮な空気を室内に供給すること。「換気」には、自然換気方式と機械換気方式の2種類がある。自然換気方式では、風力等で自然に「換気」を行なうが、換気口からの空気入れ替えを自然現象に頼るものなので換気量は変動。一方、機械換気方式では、機械による強制的な空気入れ替えのため、確実な換気量に。建築基準法では、居室には「換気」のために有効な開口部を設けなければならず、その面積は床面積の20分の1以上と規定されている。「換気」の範囲には2種類あり、建物等の内部分全体の空気を入れ替える「全般換気」と、トイレやキッチン、浴室と言った建物等の一部分の内部空気を入れ替える「局所換気」がある。
乾式工法
読み:かんしきこうほう
「乾式工法」とは、コンクリートなど、水を必要とする材料を使わずに建築物を施工する方法のこと。仕上げ材や下地材で水を使わず、養生期間を必要としない施工方法である。乾燥待ちの必要がないので、気候に左右されることがなく、工期を短縮できるのがメリットだ。外壁工事の中では、「サイディング張り」「ALCパネル張り」「引掛け工法のタイル張り」などが乾式工法に当たる。内壁の中では、「化粧合板仕上げ」「ビニールクロス仕上げ」などが乾式工法の一種。反対に、水を必要とする材料を使って建築物を施工する方法を「湿式工法」と言う。湿式工法には、「聚楽壁」「モルタル」「タイル」「珪藻土」「圧着貼り」「団子貼り」などが含まれる。
カーテンウォール
読み:かーてんうぉーる
「カーテンウォール」とは、建物において構造上の荷重を負担しない、間仕切り壁などと同様の非耐力壁のことで、建築基準法では帳壁(ちょうへき)とも呼ばれる。建物が高層化すればするほど、外壁が重くなること、そして地震に耐える柔構造建築の場合、建物がしなることで外壁のガラスが割れることなどの問題が出てくる。カーテンウォール工法ならば、外壁は構造物に貼り付けるだけで、荷重を負担しないため軽量化が可能に。建物がしなっても外壁のゆがみは小さくなるため、ガラスが割れて飛散するような事態は減る。よく見られるガラス張りの高層建築では、多くが「カーテンウォール」を採用。防火に関しては、部位別に、外壁と開口部の規定が適用される。
カーペット
読み:かーぺっと
「カーペット」とは、繊維を編んで作られた敷物のこと。繊維を編む、もしくは織って作られるもので、フェルト上になった不織布タイプのものも総称して「カーペット」と呼ぶことが多い。絨毯と同じと思われがちだが絨毯は機械織が前提のため、必ずしもカーペットと同義とはならない。一般的な木造住宅の居室や居間、寝室など、あらゆる部屋に使用され、冬のフローリング床でも足を冷やさないなどの効果が期待できるが、ゴミやホコリが付着しやく、汚れるとシミになる可能性があるというデメリットがある。また、掃除する場合は、掃除機でごみを吸い取ることになるため、フローリングの床よりはやや手間がかかる。
外構
読み:がいこう
「外構」とは、塀や植栽、玄関アプローチなどの構造物全体を表しており、門・車庫・カーポート・外灯・土間・アプローチ・柵・垣根の他、庭木・物置までを含む。「外構」のことを「インテリア」と言うのに対して「エクステリア」と表現することもある。大別すると、敷地の境界に堅牢な門扉・塀などを設ける「クローズド外構」と、町並みに配慮して敷地境界に樹木や草花などの植栽を配置して、ゆるやかに区切りを設ける「オープン外構」とがあり、日本では両方の要素をうまくミックスさせた「セミクローズド外構」が人気。また、カーポートを設置する場合は、その規模などによって建築確認申請が必要な場合もある。
外構工事
読み:がいこうこうじ
「外構工事」とは、建物本体以外の周りを工事すること。屏や門といった物から、植栽や車庫も外構工事となる。エクステリアと呼ぶこともあり、マンションでも一戸建てでも、外観を作る大事な要素であり、デザインとともに合わせていくことが必要だ。屏で囲むことにより、外からの視線を遮断できるようになる他、囲いを一切も受けないオープン外構もある。中間的な部分で、完全に遮断はしない垣根やフェンスを使う手段も考えられる。建物本体工事とは別途必要であるが、車庫に関しては含まれることも。建物本体の工事価格に対して、10%未満が外構工事費としては一般的な額となる。
ガラリ
読み:がらり
ガラリとは一般的にドアに木製の薄い羽根板をブラインド状に取り付けたもので、ガラリの付いたドアは「ルーバードア」「鎧戸」とも呼ばれる。ガラリはドア全体やドアの一部に組み込まれ、ドアの役目を果たしつつ風通しを良くして湿気を防ぐことができる。そのため、湿気が多い浴室との仕切り扉、換気口に用いられることが多い。また、窓の内側や間仕切りなどに使われるタイプは、開き戸、折れ戸、引き戸などタイプが様々で、通気や採光をコントロールし視線を遮る役目も果たす。また、部屋のインテリアに合わせて素材やカラーリング、デザイン、サイズなどを自由にオーダーできるガラリ建具もある。最近では、羽根板の角度を簡単に変え家中の採光や風通しの量を自由に変えられるガラリ戸も登場し、省エネにつながっている。
き
キャットウォーク
読み:きゃっとうぉーく
「キャットウォーク」とは、高所にある点検通路のこと。メンテナンス用の通路ではあるが、様々な作業にも使われる。建設時にも利用されることが多く、足場としての機能も高い。吊り橋のように、吊りワイヤーを必要とする場合には、これに対して足場を掛けるが、これもキャットウォークと呼ばれる。体育館などでは、照明が高所にあるため、簡単に交換することができない。仮設用の足場を組むと、そのたびに使用の制限をしなければならないため、キャットウォークを組んでおき、対応できるようにしている。ログハウスなどでは、吹き抜けロフトに設けられている通路のことも呼ぶが、相当な床面積がなければ作ることもできないうえ、落下物防止などの策も考えておかなければならない。
CAD
読み:きゃど
「CAD」とはコンピューターを使って設計や製図を行なうシステムで、Computer-Aided Designの略。近年では建築設計用として普及しているが、「システムキッチン」などの設備図面の作成についても利用率が高い。設備図面の作成はもちろんのこと、グラフィック機能を生かして3次元(3D)表示し、商品やキッチン空間を視覚的に確認できるため、顧客へのプランニングやプレゼンテーション用としても使用される。2次元CADの利点は、定規やコンパスの代わりに手軽に使えることだ。一方、3次元CADは、設計中のものをいろいろな角度から眺めたり、それを印刷、出力したりすることができる。
給水方式
読み:きゅうすいほうしき
「給水方式」とは、家庭内に給水する仕組みのこと。水道の配管を使うことは共通で三つの方式が使われるようになった。直圧直結給水方式は、もっと簡単なもので、水道本管から給水する方式。増圧直結給水方式は、受水タンクなどを必要とせず、水道配管を利用できるが、機器の定期点検が必要だ。逆流防止機器を取り付け、増圧給水設備があり、中層マンションでも使うことができる。受水タンク方式は、受水タンクを設置し、ここに本管から水を引き込み貯めて重力の力で配管していく。本管からポンプで押し上げて給水するが、ポンプはひとつですむ。高層ビルやマンションで採用されているが、タンクの清掃も必要になる。10立法メートル以上のタンクを設置する場合には、定期清掃だけではなく、検査もしなければならないように義務付けられている。
キュービクル
読み:きゅーびくる
「キュービクル」とは、受電設備を収めた箱のことで、金属でできている。閉鎖型配電盤であり、主回路、変圧器、遮断機、監視制御装置などを内蔵。計器類もひとつに収めることによって、機器一式がキュービクル内にある。ひとつの場所に収めることによって、配線や機器を整理できるようになり、簡素化も進められる。高圧受電設備にも用いられるが、古くからJIS規定が存在し、平成16年に本規格として改正された。キュービクルにすることによって、設置場所が小さくまとめられ、保守点検作業も簡単に。パッケージでき、工場内で作り上げることもできる。場所も取らずメンテナンス性が高まるため、低予算でも使用でき、大規模でなくても導入が可能な受電設備と言える。
共同住宅
読み:きょうどうじゅうたく
マンションやアパート、団地などのように1つの建物に2世帯以上が独立して暮らせる構造の住宅のこと。
1棟の建物に複数の世帯が暮らす建物を総称する「集合住宅」は、「共同住宅」と「長屋住宅」に大別される。
共同住宅と長屋住宅の違いは、廊下や階段等を共用する部分が有る場合は共同住宅、共用部分が無いものは長屋住宅となる。
なお、集合住宅という用語は建築基準法に定められている訳ではないが、不動産業界の一般用語として定着している。
鏡面仕上げ
読み:きょうめんしあげ
「鏡面仕上げ」とは、金属や塗装面の加工仕上げの技法。研磨剤を使って平滑に加工処理し、鏡のような光沢のある表面に仕上げる。ピアノやシステムキッチン、洗面台の面材などで使われる。「鏡面仕上げ」は、塗装する段階で刷毛、ローラー、吹き付けなどの道具による模様が出てしまうことが難点。スプレーなど口径が小さい物だと凹凸は少なくなるが、これのみでの「鏡面仕上げ」は難しい。そのため、塗装後にサンドペーパーで平らにする。しかし、サンドペーパーによる粗い傷は残るので、「コンパウンド」という研磨剤により傷をさらに細かく、肉眼で見えないように仕上げる。
擬石
読み:ぎせき
「擬石」とは、表面を子叩きや研ぎ出して、天然石のように仕上げた人造石のこと。天然の岩石に模倣して作ったコンクリート、またはモルタル製品だ。擬岩とも呼ばれ、代表例はテラゾー、またはテラゾと呼ばれる物。テラゾーは、白色セメントに、大理石や花崗岩を粉砕した粉(種石)を混ぜ、滑らかに磨いて大理石のような模様に仕上げた擬石のことである。イタリア語のTerrazzoに由来する名前だ。天然石に比べて低価格、高耐久で、手入れが簡単であるという利点があるが、酸や熱に弱いのが欠点。主に床や壁などに利用されている。工場で最終仕上げまで行なう工場仕上げの物と、作業現場で仕上げを行なう現場仕上げがある。
く
躯体
読み:くたい
「躯体」(くたい)とは、建築物全体を構造的に支える骨組み部分のことで、構造体のことを意味する。具体的には基礎、基礎杭、壁、柱、小屋組、土台、斜材(筋かいなど)、床版、屋根板または横架材(梁など)などが該当し、窓や戸、建具などの付属物や設備類は除く。躯体は力を支える構造体に使う材料によって区別される。おもな例は、ブロック造、木造や鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)など。鉄骨造以外は、柱と梁(はり)、壁が一体となるため、外力に対しても耐えられるようになっていて、鉄骨造の外壁はあくまでも覆いであり、カーテンウォール(軽いアルミのパネル状)の壁やALC板(軽量コンクリート板)、スレート板の他、ブロック積みなどで作られる。
管用テーパーねじ(PT・R・Rc)
読み:くだようてーぱーねじ
「PT」はパイプねじ(管用テーパねじ)の記号で、これはJIS B0203に規定されています。PTは「パイプテーパ」を表し、テーパが1:16であることを示します。パイプねじは、内部の管に対して外部のパイプを接続するために使用されます。「R」および「Rc」は、メートルねじ(管用平行ねじ)の記号で、これらもJIS B0207に規定されています。これらの記号は、ねじ山の形状、内径と外径の関係、および気密性に関する情報を提供します。Rは「ラウンド」を表し、Rcは「ラウンドつぶし」を表します。Rcは内径につぶしを持ち、気密性に優れています。
管用平行ねじ(PF・G)
読み:くだようへいこうねじ
「PF」は「パイプフレア」を表し、外径にフレア(広がり)を持つねじです。一方、「G」は「管用」を表し、一般的なメートルねじと同じ形状のねじです。パイプフレアねじは、パイプフレア継手と組み合わせて使用されます。この継手は、パイプの端部にフレアを形成し、継手を取り付けることで、パイプ同士を接続するために使用されます。パイプフレアねじは、この継手に適合するように設計されています。「G」は、メートルねじ(管用平行ねじ)の記号です。これらはJIS B0207に規定されています。管用平行ねじの「G」は、一般的に管用途に使用されるメートルねじを表します。これらのねじは、パイプフレアねじとは異なり、フレアを持ちません。ただし、パイプ同士を接続するために使用されることもあります。
掘削
読み:くっさく
「掘削」とは、掘って削る工程のこと。工事の名称にも使われることがある。地盤を掘ったり削ったりすることで、穴をあけることも掘削と呼ぶ。かつては、ピッケルやスコップを使って人力で行なわれていた。人間の力では効率が良くなく、工作機を使い行なわれるようになったのは、道具の強度があがったことも理由として挙げられる。人力で行なう場合にも、ブレーカーやチッパーといった、空気圧や電動の工具を使い行なわれるように変化した。音をあまり出さずにすむウォータージェットも活用されている。大規模で行なわれるときには、火薬を使って爆破する発破がある。火薬の破壊力によって掘削する方法になるが、音が大きいため、静穏で工事ができる化学反応で膨張させる発破も使われるようになった。
クッションフロア
読み:くっしょんふろあ
ビニール床シートのうち、裏打ちの不織布やビニール層、ガラス繊維入りビニール層、中間層には印刷柄のある発泡層、さらに表面には透明のビニールシートを積層したもの。
厚みは1.8?3.5mm、幅は0.9?2.0mで、20?30m巻きの商品が一般的。歩行感もよく、住宅内で使用され、洗面所やトイレ、キッチンなどの水まわりで多用されている。また、中間層の印刷の柄も様々。
クラック
読み:くらっく
「クラック(crack)」とは、裂け目、割れ目という意味の英語で、建築業界では建物の外壁や内壁、基礎にできるひび割れや亀裂のこと。モルタルやコンクリートは、乾燥する際に収縮する性質があるため、クラックが発生しやすいとされる。クラックが発生する原因には、大きく分けて2つある。ひとつは、必要な鉄筋量の不足や材料を練る際に不純物が不均一に混入したなど、施工上の要因でできるもので、構造クラック、クラッキングとも言う。もうひとつは、地震の揺れや気象の寒暖の変化、過重といった、完成後に外側から加わる力によってできるもの。外的要因によるクラックのうち、表面にできた小さなひび割れはヘアークラック、シーリングや塗装にできるひび割れはチェッキングと言う。クラックは窓枠の四隅や、広い壁面、柱と壁の接合部などに発生しやすい。
クラッシャーラン
読み:くらっしゃーらん
「クラッシャーラン」とは、切り込み砕石のこと。路盤材に用いられる採石であり、砕いた状態になっている。粒度が一定ではないため、安価で手に入れることが可能。コンクリート廃材を使った再生砕石もある。粒度がばらばらのため、締め固めしやすい採石であり、路盤材として下層に用いられることが多い。クラッシャーランは、岩石や玉石を砕いただけの物のため、支持力は高くはない。そこで、上層路盤を形成する場合には、クラッシャーランをふるいにかけた、粒度調整採石を使用することになる。Cで表示されるのが、クラッシャーランで、そのあとが最大粒径を示す。Rが再生砕石を示しているため、表記を見るだけですぐに分かるようになっている。
クリアランス
読み:くりあらんす
「クリアランス」とは、余裕や遊び部分として設定されるすき間のことである。自動車設計のハーネスとエンジンの間、電気設計での配線パターン間といった法規制や社内ルールで決められた、部品、物体間に確保する必要のある距離(隙間、間隔)のことを表す。「クリアランスをとる」「クリアランスがない」など使われる。3D CADを利用することで部品間のクリアランスを一括でチェックすることが可能である。その他に、デパート業界におけるバーゲンの意味や、医学界では腎臓などの臓器の老廃物を排泄する能力を表す指標、通関手続き、出港許可、航空機の着陸許可、アメリカ合衆国情報安全保障監督局の「機密レベル分類システム」での、非公開情報にアクセスするときに必要とされる権限などの意味を表す。
栗石
読み:くりいし
「栗石」とは、丸みを持った径が15センチ以下の石のこと。グリと呼ばれることもある。本来は割った物ではない自然な石のことをさす。栗石を割った物を割栗石と呼び、径も異なってくる。基礎工事につき固めて地盤を建子にできるため、よく用いられるが、著しく軟弱な場合、そのまま沈んでしまうこともあるため向いていない。割栗石を入れることによって突き固めの効果を上げやすくなるため、手作業で配列することによって効果を出せる。ただし、隙間ができるために、空隙をつぶすために砂をまく必要が出てくる。基礎に使う場合には、そのままでは使いにくいこともあり、平たんにするために捨コンが用いられることが一般的だ。
クロロプレンゴム・CR
読み:くろろぷれんごむ
優れた耐候性、適度の耐油性、耐オゾン性、耐薬品性、耐摩耗性を有しバランスの取れた合成ゴム。低温時に結晶化しやすい傾向にあるため、低温時の動的シールには向かない。使用温度目安:-30~100℃
クロームめっき
読み:くろーむめっき
「クロームめっき」とは、金属を守るために行なわれる電気めっきのこと。クロム酸と硫酸水溶液を使い、液中でクロムを電着させることで行なう。耐錆性や耐摩耗性に優れたメッキであり、家具を含め様々な物に利用されている。少し青白いシルバー色になるところが特徴で、水道のパイプやチェーン、ホイールキャップなどもクロームめっきで行なわれている。光の反射性も高く、熱も反射することが可能。装飾用に使われることもあるが、この場合には割れを生じにくくさせ、みためにも美しい状態を作り上げられる。2層ニッケルめっきや3層ニッケルめっきなど、ニッケル・クロームめっきを強化している方法もある。
グラインダ
読み:ぐらいんだ
「グラインダ」とは、工作物の表面を削り取って平滑にしたり、研ぎ磨いたりするために円形の回転砥石を装備した電動工具のこと。旋盤のバイトを研いだり、工具や部品のバリを取ったりするのに使用する。機械加工には必ず用いられる機械のひとつだ。フライス盤や旋盤などと比べると危険性が高い。作業時には砥石が近くにあることが多いため、指を巻き込まれないように注意することが必要。研削中は、材料や部品が熱くなることがあるが、軍手は巻き込まれやすいために使用しないのが望ましい。小さい部品を削る場合は、部品が巻き込まれて飛ぶことがある。合金、銅合金、アルミニウムなどは砥石が詰まるため使用できない。基本的には鉄系材料のみとなっている。
グレーチング
読み:ぐれーちんぐ
「グレーチング」とは、側溝などの上にかぶせてある蓋のこと。金属製で鋼板やステンレスでできている物がほとんどだが、中にはFRP製の物もある。一般住宅では、浴槽の出入り口に設けてある場合も。側溝の中に通る風の風圧も考えられており、軽量化を進められてはいるものの、浮き上がったりしないように重く作られている。最近では、格子の細かい物が出てきているが、これは歩行者のヒールがはまったり、ベビーカーや車いすの車輪がはまり込んでしまったりしないため。デザイン性も考えて作られるようにもなり、多くの種類を見かけることができる。排水側溝の空隙に透水舗装材を用いる方法が出てきており、グレーチングから中が見えないのにもかかわらず、水を通す仕組みが出てきた。
け
蹴上げ
読み:けあげ
「蹴上げ」とは、階段一段ぶんの高さのことである。「蹴上げ」は、建築基準法では23cm以下とされているが、一般的には18?20cmが使いやすいと言われている。また、階段の足を乗せる部分は「踏み板」と言い、踏み板の踏み幅を「踏み面(ふみづら)」と言う。踏み面が狭いと足がうまく乗せられないので、建築基準法では15cm以上が必要とされている。また、踏み板の先端部分を「段鼻(だんはな)」と呼び、踏み板と踏み板を縦に結ぶ板を「蹴込み板」と呼ぶ。蹴込み板は、上部が下部より少し前に出るような形となる。この蹴込み板の奥まった部分を「蹴込み」と言う。蹴込みが長いと階段を上がるときにつま先がひっかかってしまうため、30mm以下が良いとされている。
軽量気泡コンクリート
読み:けいりょうきほうこんくりーと
「軽量気泡コンクリート」とは、ALCのこと。コンクリートに対して発泡剤を添加し、高温高圧状態で養生する。これを板状にした物をALCパネルと呼ぶ。軽量気泡コンクリートは、施工自体が容易であり、耐火性も高いことから外装材として使われることが多い。コンクリートに比べると、発泡させた分だけ比重が軽くなる。屋根などに利用しても、重心が高くならない。建物全体としても軽量化を進めることができるため、基礎の強度も下げられるため、全体的なコストダウンにもつながる。ただし、緻密な作りではないことから防湿性や防水性は低いので、必ず防水処理を行なっていなければならず、建築終了後に問題になることもある。
ケーブル
読み:けーぶる
「ケーブル」とは、電線や光ファイバーなどにロープ、絶縁体と保護被覆といった外被をかぶせた物、または、数本の銅線を撚り合わせたワイヤーケーブルのことである。一般的には天井裏に配線したり、壁に固定したりした電線などを指し、固定しないで移動させて使用するコード類とは区別される。鋼線や鉄線を使った物は、鋼索、鉄索と呼ばれることも。ケーブルは金属棒と比べると柔軟で曲げやすいという特徴がある。使い道によりケーブルの種類は変わる。例えば、送電用のケーブルの電気伝導体には、電気伝導性の高いアルミニウム合金や銅を使用。送電用の電線には銅線と寄り合わせたケーブルが使用される。
こ
鋼管
読み:こうかん
「鋼管」とは、鋼製の管のこと。鋼管は、その製法から継ぎ目無し鋼管と溶接鋼管に分類できる。継ぎ目無し鋼管は、一本の丸鋼に穴を空け熱をかけて延ばして作られるのに対し、溶接鋼管は平面の鋼材を丸めて作られるのが一般的。また、鋼管は配管用、構造用、電線管用などの用途があり、材質も炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼など様々な種類の物がある。多く用いられるのは配管用鋼管で、ガス管と呼ばれる配管用炭素鋼管、吸水用に使用される水配管用亜鉛メッキ鋼管、高圧化で使用される圧力配管用炭素鋼管などが代表的。構造用配管には、通常の丸管の物と断面形状が角形になっている物があり、用途に応じて使い分けられている。
抗菌仕様
読み:こうきんしよう
「抗菌仕様」とは、住宅設備や家電製品などで、その表面に雑菌などが付きにくいように、またついても増殖しにくいように処理を施した物だ。住宅内では、キッチンや浴室、トイレ、洗面所など、水まわりに抗菌仕様の設備機器が多く見られる。抗菌と混同されやすい用語に滅菌、殺菌、除菌がある。滅菌とは、物体に付着したすべての微生物を死滅または除去して無菌状態にすること、殺菌は微生物を死滅させること、除菌はろ過や洗浄などの手段で物体に付着した微生物の数を減らすことだ。近年では、抗菌仕様として光触媒技術を応用し、光が当たることで抗菌効果を示す製品も開発され、これにより、汚れにくく雑菌のつきにくい便器や、洗面ボウルといった物も開発されている。
鋼材
読み:こうざい
「鋼材」とは、鉄鋼材料の総称のことである。建築や機械の材料としてそのまま用いることができるように、板、棒、管の形に加工されている。性能が安定しており、主要部分に最も良く使われる建設材料。鋼を圧廷鋼材、鍛造、鋳造などによって、加工するといった成型した鉄鋼一次製品のことである。建築用資材として良く使われる鋼材は、棒鋼と形鋼。鋼矢板は、基礎工事の土止め用の形鋼として使用され、H形鋼、I形鋼、箱形鋼などは柱として使われる。鋼には、炭素を含んでいる普通鋼と、用途のためにニッケル、コバルト、クロムと言った物を加えた特殊鋼が存在する。鋼材はこれらの鋼を延ばして成形する圧延によって作られていることが多い。
鋼製束
読み:こうせいつか
「鋼製束」とは、一階の床組みで大引を受ける床束の一種。鋼製の既製品の床束を言う。同じく既製品の床束にはプラ束もある。床束には以前は90ミリ角程度の木材が使われていたが、乾燥や収縮による床鳴りを防ぐために、高さ調整が簡単にできる既成のプラ束、鋼製束が多く使われるようになった。また、木製ではシロアリの被害にあうことからも、鋼製の束に変わってきた。鋼製束の一種に鋼製六角束がある。これは、鋼製束を大引に釘やビスで固定し、束石やコンクリート基礎に接着剤で圧着し、そのあと釘打ちで施工するものだ。セラミックコーティングが施されているため、腐食や塩害にも強く防錆性に優れている
鋼板
読み:こうはん
「鋼板」とは、鋼を板状にした物のことで板金の一種。圧延加工して作るため、厚さによって4種類に分かれている。3ミリ以下を薄板、3ミリ以上6ミリ未満を中板、6ミリ以上を厚板、150ミリ以上を極厚版と呼ぶ。薄板以外をまとめて厚中板と総称することが多い。成分と温度履歴に関しては、かなり細かく管理されて製造されており、様々な用途に利用されている。特に圧板になると、船舶の外板や原油などの輸送管に利用することになるため、非常に厳しい管理をしなければならない。品質が不安定だったころの鋼板には、低温脆性と呼ばれる問題があった。これは温度が下がると極端にもろくなってしまう現象で、海洋事故が多発してしまったことから、管理が徹底されるようになった。
勾配
読み:こうばい
「勾配」とは、傾斜面の傾きの程度、または斜面のことで、傾斜面の水平方向の変化に対する、水平面からの距離の比を言う。屋根勾配の場合は、角度で表す他、水平距離10に対しての高さが3であるときには、3/10というように表し、この場合は3寸勾配と呼ばれる。また勾配が10/10のときには、数字ではなく、矩勾配と呼ぶ。なお、屋根の場合、雨漏りなどの問題を防ぐために、使用する仕上げ材により、必要最低勾配がそれぞれ決まっており、5寸勾配以上は、施工上屋根足場が必要だ。また、築堤や土止め壁などの法面勾配は、垂直距離に対する水平距離の割合で表現する。一般的な築堤の法勾配は、垂直距離1に対して水平距離1.5となる。
高欄
読み:こうらん
「高欄」とは、廊下や橋などの転落防止などに取り付けられる柵のこと。宮殿や神殿の周りにも高欄は取り付けられている。意匠的な部分から取り付けられることもある。端部に取り付けられる物であり、進行方向に対して伸ばす。場合によっては勾欄と書くことも。日本建築では、勾欄の横材のことを上から架木(ほこぎ)、平桁(ひらげた)、地覆(じふく)と名が付けられており、地覆から、平桁を通して架木を支える物を斗束と呼ぶが、平桁だけを支える物は?束(たたらづか)と呼び区別する。隅の部分は、3本が組み合わさっている物の他、親柱を建てる物もある。3本とも組み合わせる物は跳高欄、親柱を建てる物を擬宝珠高欄と呼ぶ。他にも平桁と地覆の先端がわずかに出る組高欄などもある。
骨材
読み:こつざい
「骨材」とは、コンクリートに混合させる砂利や砂などのこと。「骨材」は、コンクリートの強度を高めたり、コストを節約したりする目的で用いられる。骨材は、粒径によって、粗骨材と細骨材に分類。粗骨材は、大きな砂利や砕岩など5mm以上の物が85%以上含まれる骨材を言い、細骨材は、10mmのふるいをすべて通過し、5mm以下のものが重量の85%以上含まれる川砂などの骨材を言う。他にも、真珠岩や黒曜石を粉砕して焼成したパーライトなどの人工骨材や、リサイクルのために、廃セラミックや廃ガラスなどを骨材として使うこともある。骨材は比重によって、重量骨材、軽量骨材と呼ばれ、人工骨材は比重が軽いものが多い。
コンソール
読み:こんそーる
「コンソール」とは、ギリシャ建築で見られる渦巻き型のブラケットで、もち送りとも呼ぶ。軒などで水平方向の支持材のことで、補強材としても装飾材としても使われる。家具の場合のコンソールとは、壁付けテーブルのこと。壁に固定して使用するテーブルであり、サイドボードの原型になったと言われている。もともとは、壁に固定して使うことを前提とした、自立できないテーブルを呼んでいた。しかし、18世紀初頭あたりからは、こうした概念にとらわれずに、様々なデザインの物が作られている。脚が2本であることが基本だったが、1本しかない物や3本ある物もあり、総称としてコンソールが使われることが多い。素材に関しても決まりがあるわけではないため、木材や石材など様々な物で作られている。
コンテンポラリー
読み:こんてんぽらりー
「コンテンポラリー」とは、現代的という意味であり、トラディショナルやパーマネントの対語として使われる言葉のこと。当世風の物のことを指す。明確な概念というわけではなく、そもそもあいまいな表現になっていることから、古き伝統を否定しているわけでもない。今風というはっきりとはしないが、現代的という言葉におきかえることもできる。ファッションの中では、専門的な職業につき、経済的にも自立している女性が身につける服装を、コンテンポラリーと呼ぶ。現代美術は、コンテンポラリーアートと呼ばれる。しかし近代と現代に明確な境界があるわけではなく、傾向的な部分は見られることがあっても、その時々によって定義も内容も変化してくる、あいまいな言葉と言える。
コンパネ
読み:こんぱね
「コンパネ」とは、コンクリートパネルの略称で、コンクリート型枠用合板のこと。コンパネは、コンクリートを打ち込み、所定の形に成形するための型枠としてつくられた合板で、価格は安いが耐水性が高い。しかし、表面が塗装された物もあるが、基本的には表面は粗く反りも大きい合板であるため、合板としての質は悪く、室内家具や内装材としては適さない。コンパネは、コストが安いことから様々な場所で利用されているが、コンクリートの型枠として使う場合は、転用回数を上げるために樹脂塗装が施されている。コンパネは一般的に5層の板を貼り合わせてあり、厚さは12mm、サイズ900mm×1800mmが一般的なサイズだ。
剛性
読み:ごうせい
「剛性」とは、弾性変形に対する抵抗度合いのこと。通常はヤング係数と、断面2次モーメントを掛け合わせたEIで表される。材料の性質、部材断面の形状、骨組みの構成方法などによって決定。物体の変形は軸変形、曲げ変形、剪断変形、ねじり変形などに分けて考えることができ、それぞれの変形に対して剛性が定義できる。建築において、建物が持つ剛性の上下方向のばらつきを評価するために、剛性率という指標を用いられる。各階の剛性を全階の剛性の平均値で表す。各階の剛性は、階高を地震荷重時の層間変形量で割った層間変形角の逆数で表される。階層ごとに剛性にばらつきがあると、地震荷重を受けた際に、その階に変形が集中して破壊に至る可能性がある
合板
読み:ごうはん
「合板」とは、原木を大根のかつらむきのように一定の厚さでむいた物を、木目の縦目と横目が交互になるように奇数枚重ね、接着剤で貼り合わせてつくった板のこと。このとき、一定の厚さでむいた板のことを単板(ベニヤ)と呼び、単板を貼り合わせる枚数で「合板」の厚さは変わる。薄くむいた木材を貼り合わせる技術は、紀元前の古代エジプト時代からあり、1870年ごろにヨーロッパで単板を切り出す機械・ベニヤレースが開発された。日本では1907年(明治40年)に、浅野吉次郎という人が独自に開発したベニヤレースが実用化され、以降「合板」が多く使われるようになったとされる。重さのわりに強度があり、加工の自由度が高く、広い面積の板が得られることなどが「合板」の特徴。「合板」の用途は建築土木から家具、工芸品など多岐にわたり、楽器、黒板、事務用品など生活に密着した様々な物にも活用されている。
さ
採光
読み:さいこう
「採光」とは、建物内の環境を整えるために、窓などの開口部から自然光を採り入れ、室内を明るくすること。人が暮らす環境においては、換気と同様にとても重要な要素で、建築基準法では、「住宅の居室においては床面積の7分の1以上の採光に有効な開口部を設けなければならない」としている。「採光」はあくまでも光のことであって、日照は含まない。このため、北向きで日照がなくても、光が入れば「採光」に有効な開口部と認められる。また、この場合の「採光」に有効な開口部とは、窓であることが多い。この基準に定められた開口部を設置できない部屋は、居室とは表示できず、納戸やサービスルームという表記になる。窓からの採光以外にも、鏡やガラスの反射をうまく利用して、室内の奥のほうに多く光を採り込むような技術もある。
砕石
読み:さいせき
「砕石」とは、天然の岩石や大きな玉石などをクラッシャーで破砕して、人工的に小さく砕いた人工砂利(骨材)のこと。砕石に対して、自然に小さくなった岩石の天然砂利があるが、これは丸みを帯びた形状になっている。一方、砕石は角張った形状をしていて実積率は悪いが均質だ。原石としては安山岩、硬質砂岩、石灰岩などが用いられている。コンクリート用骨材や道路用骨材などの建築用資材や土木資材として使用され、それぞれ適する粒度に加工されている。砂利と比べて、砕石はとがった部分が他の石や地盤に突き刺さるため。踏み固めると地盤がしっかりと固まるという利点がある。そのため、コンクリート舗装やレンガ敷き花壇の基礎を作る際に適している。
差し筋
読み:さしきん
「差し筋」とは、建物を一体化させるために、すでにあるコンクリートに対して鉄筋を打ち込む施工のこと。この鉄筋自体も差し筋と呼ばれる。コンクリートは、新たにうち継いだだけでは一体化することがない。そこで、削孔して鉄筋を差し込む。あらかじめ鉄筋を施工しておくこともあるが、横方向の場合、型枠が邪魔をするため、ほとんど行なわれることがない。そこで、後施工アンカーを使い、鉄筋をつなぐ方法が取られる。一般的な後施工アンカーを使うと、鉄筋にネジを切るなどの加工が必要になることから、鉄筋と一体化した製品が販売されているため、これを打ち込むことが多い。差し筋は有効な手段であることは間違いないが、新旧のコンクリートをつないでいるのは、鉄筋しか存在していない。
SUS
読み:さす
「SUS」とは、「Steel Use Stainless」の略称で、ステンレスのこと。正しくは「エス・ユー・エス」と読むが、通常は「サス」と呼ぶ。JISでSUSの略号が使用されている。鉄を主成分とし(50%以上)、クロムを10.5%以上含んでいる合金鋼で、他には「ステンレス鋼」「ステンレススチール」「ステン」「不銹鋼」とも言う。ステンレスの「ステン」は「汚れる、錆びる」という意味で、「レス」は「?しない」という意味で、ステンレスは非常にサビにくい金属である。それは、鉄にクロムやニッケルが含まれているためだ。特に、鉄にクロムを加えると、表面に薄い酸化被膜を作り、周辺環境と反応しにくくなり、耐食性が強くなる。
SUS304(ステンレス鋼)
読み:さすさんまるよん
オーステナイト系ステンレス鋼の代表格、耐食性や耐熱性に優れた材質。加工面では、粘りのある素材のため切削性は良くないが溶接性は良いとされる。SUS303と同様で磁石に付かない、また見た目は同じなので材料の違いは判別できない。ただし粘りの強いSUS304は切削加工時の切り屑が連なっている事が多く、SUS303は切り屑が細かい。材料の特性(切削性)の違いで判別する事が出来る。弊社では、材料保証、リバースエンジニアリングの際などの材料判別ができる「成分分析機」を導入しております。
SUS430
読み:さすよんさんまる
SUS430は、クロムを16%以上含む、フェライト系ステンレスの代表的な種類のひとつです。ニッケルを含まないため、ステンレスの中では耐食性はさほど高くありませんが比較的安価で加工性が高い特徴を持ちます。また、焼き入れによって硬化はしませんが、耐食性や耐熱性において、マルテンサイト系ステンレスと比較して優れます。
サニタリー
読み:さにたりー
「サニタリー」とは、住居について使われる場合は、キッチン・浴室・洗面所・トイレなどの衛生のための設備を持つスペースの総称。欧米では、寝室に隣接して浴室・洗面所・トイレの3つの機能をバスルームとしてひとつにまとめることが多いが、日本の住宅では、それぞれを扉で仕切り、別々の空間におくことが一般的。また、一般的にサニタリー用品や設備のこともサニタリーと呼ぶ。「キッチンサニタリー」は、ペーパータオルホルダーやラップポケットなども含まれ、「トイレサニタリー」は、トイレットペーパーホルダーや便座のシートなども含まれる。バスサニタリーは、浴室マットや洗面用具などが含まれることから「サニタリー」は意味合いは広い。
錆止め塗料
読み:さびどめとりょう
「錆止め塗料」とは、金属の腐食を防ぐために塗る塗料のこと。表面に塗布することで、サビを防ぐ役割をするため、防錆塗料と呼ぶ。サビは金属が水や酸素に触れなければ発生しない。そこで、表面に塗膜を作り、水や酸素に接触させないようにすることが基本的な考え方になる。油性系はもちろんのこと、フェノール系やエポキシ系、ウレタン系、アルキド樹脂系など様々な塗料が存在しているが、含鉛塗料が多く含まれていることから、環境的な影響が懸念されることがある。実際に乾燥が遅いという問題もあり、無鉛系が使われることが多くなった。塗膜を作ることが重要となるため、下地処理としてケレンを十分に行なわないと効果が上がらない。
散水栓
読み:さんすいせん
「散水栓」とは、外部で散水するために取り付けられている水道栓のこと。ホースが取り付けやすいように加工してある。地中に埋めておくタイプでは、ボックス付きと呼ばれる地面から上に設置する物が一般的。コンクリート柱を使った立水栓も散水栓として使われることがある。ボックス付きにした場合、ホースを外すと水があふれてしまうことが多い。そのため、清潔に使うためにも排水口を設けることが重要になってくる。出入り口に設けることが多いが、庭がある場合には、水がまきやすいように設けることも多い。植物に散水するだけではなく、掃除や車の洗車などにも用いられることがあり、目的に近い場所に設置することが求められる。
材工共
読み:ざいこうとも
「材工共」とは、工事単価の表現方法のこと。材料と工事費をバラバラではなく合計した単価を示す。材料の加工や取り付けなどの手間賃も含まれることになるため、複合単価と呼ばれることもある。見積もりの明細が増えることになるため、単純化させるために使われることが多い。合計した単価にすることで、単純にいくらかかるのかは分かるが、内容の明細ははっきりしなくなる。査定ということを考えると、合算されてしまうと判断できない。小規模な場合には材工共で合算することが多くなるが、この場合には備考欄に記載されている。材工一式という言葉がある。こちらは材料と工事費の両方という意味で、見積もりにする場合は合算ではない。
座金
読み:ざがね
「座金」とは、ワッシャーなどと呼ばれている物のこと。ボルトやナットの締め付けを高めるために用いられる。ナットを締め付けていくと、接触面の摩擦が大きくなっていくが、固定面が平滑であるとは限らず、締め付けがうまくいかなくなってしまう。座金があることで、平滑な面を確保できるようになり、十分な締め付けができ、そして、座金があることで、締め付けたときに母材にボルトやナットが食い込むことも防止できる。平滑面に別の物を取り付ける際にも座金が使われる。コンクリートのひび割れなどに、接着剤を注入する低圧シリンダーを取り付けたりするのも座金であり、樹脂で固定しておき、注入後に撤去することで、躯体(くたい)を傷つけない。
雑排水
読み:ざつはいすい
「雑排水」とは、一般家庭から出される排水の中でも、し尿と水洗便所からの排水を除くもののこと。台所や洗濯で使われる排水で、下水道設備や合併浄化槽がない場合には、垂れ流しになっている地域も残されている。ただし、台所の排水は、厨房排水として別に定義することがある。生活雑排水とも呼ばれることがあるが、水質汚濁防止法により、排水は規制が掛けられた。そのため下水道の整備が進んではいるものの、生活雑排水は不徹底のままになっている地域が残されている点が問題である。比較的、汚染物質の濃度が低い排水ではあるものの、自然界に影響を与え得る原因が混ざっていることから、産業排水とともに水質汚染源であると言える。
し
仕上材
読み:しあげざい
「仕上材」とは、見えるところに使われる材料のこと。床や壁、天井にも使われる。それぞれ場所によって使われる材料が違う。クロスやフローリング、タイルや化粧合板など、様々な物が仕上げ材として使われている。内部で使われるような物だけではなく、外装に使われる物も仕上材と呼ぶ。直接目に触れることになる物であり、上に貼る物と塗る物が存在する。仕上材の中には、構造体としての役割を果たすALCのような物もあり、組み合わせ次第で様々な物を使うことが可能。外装材は汚れがついてしまうため、光触媒なども人気が高まり、内装材は、生活空間にもなるため、天然素材を使うことが増えている。
仕口
読み:しぐち
「仕口」とは、建築部材の接合方法の一種で、木材、鉄骨、鉄筋コンクリート等で、方向の異なる複数の部材をT字形、または斜めに接合・交差させること。その接合部分のことや、木材に刻まれたホゾ等をさしていることもある。「仕口」の構造方法等については、建築基準法施行令に細かい規定があるが、所定の「構造計算によって構造体力上安全であること」が確認されれば、この限りではないとされる。特に木造の場合、「仕口」の種類が多いが、優先されるのは強度・見た目・伸縮やねじれ等経年変化を見越しているかと言った配慮。金物で接合を行なうことも多いが、金物に結露が生じることで木材の腐食・腐朽の原因となってしまうことがある。
止水栓
読み:しすいせん
「止水栓」とは、水流を止めたり水量を調整したりすることを目的として、水道管の途中に設けられる器具のこと。 水道メーターの脇や、トイレや洗面台などにつながる直前の水道管や、システムキッチンや洗面化粧台などでは給水箇所の下のキャビネット内に止水栓を設置する。止水栓は修理時の水あふれ防止が目的のひとつであり、修理する際には、必ず止水栓を閉めてから作業しなければならない。単水栓や一部の2ハンドル混合栓を除いて、ほとんどの水まわりの器具には止水栓がついており、止水栓をマイナスドライバーで右に回すと閉まり、左に回すと開く仕組みだ。壁付水栓の場合は、器具本体と壁の間にある脚部に、止水栓は設置されている。
下請
読み:したうけ
「下請」とは、元請けに対して使われる言葉のこと。下請負のことであり、元請けが請け負った工事の中で、一部の部分を専門業者に請け負わせることを指す。職種に応じて請負することが基本となるが、すべて任せてしまうことがある。これを丸投げと呼ぶが、建築基準法では、一括下請けとして発注することを、建築主が知らなければならないとしており、書面にて承認されなければ行なうことができない、禁止された行為だ。基本として、元請けから下請けへ、そこから孫請けへと仕事は流れていくようになっており、上位の者が責任を負わなければならないが、建築主に対しての責任を負う必要はない。規模が逆転することもあり、これを上請けと呼ぶことがある。
下地
読み:したじ
「下地」とは、仕上げ材をスムーズに施工するために行なう素地のこと。材料は下地材と呼ぶ。仕上げ材を生かすためにも必要となる素地となる。クロスやフローリングを施工する場合には、平滑な面になっていないとうまくいかないことが多い。特にクロスの場合には、薄い素材を使うため、下地がうまく言っていなければ凸凹が目立ち、仕上がりが汚くなる。光が当たったときに、その印影が見えてしまうこともあることから、平滑な面にしておかなければならない。様々な仕上げの前工程として行なわれるが、防水下地のような目的で行なわれるような方法も存在する。仕上げるために、ラス金網を使ったり、コーナー材を使ったりすることもある。
下端
読み:したば
「下端」とは、垂直な壁の最下部(すそ)で、床や地面との境界線のことである。 または工作物などの底部や床などに接する面のことを表す。水平に使われたもので、材料や部材の下に面した部分。下を向いて使われている場合は、道具や材料の上面を指すこともあり、部屋の部分の上部を指すこともあるため、いつも下の面であるとは限らない。下端の反対は「上端(うわば)」である、上端と似た言葉として「天端(てんば)」という言葉もある。同じ漢字で「下端(かたん)」と読む場合は、意味が異なり、物の下のほうの端という意味や、数学で実数の集合の「下界(かかい)」の最大限のことを表す「下限」と同じ意味となる。
縞鋼板
読み:しまこうはん
縞鋼板 (しまこうはん)とは、圧延によって表面に連続した滑り止めの縞目と呼ばれる突起を付けた鋼板のことで、チェッカープレートや縞板 (しまいた)とも呼ばれる鉄鋼製品の一つです。縞鋼板”は、通常の鋼板と比較して滑り難いため、建築分野では構造物及び工場建屋の階段?床板?側溝の敷板 や溝蓋、土木分野では仮設敷板?マンホール?足場板等に使われ、それ以外の分野では船舶の甲板や鉄道車両及びバス?トラックなどの特殊車両のタラップやステップ等の様々な用途に幅広く使用されています。
尺
読み:しゃく
「尺」とは、尺貫法による長さの単位で、日本、中国、韓国など東アジアで使用されている。1尺は10/33mと明治時代に定義された。尺貫法の長さの基準となる単位であるため、そこから物の長さや物差しのことも尺と呼ぶように。日本では、1958年に計量法によって尺貫法は計量単位としては廃止されたが、木造建築や和裁においては利用されたため、尺や寸の代わりとして、1/33mや26.4mの目盛りを付けた「尺相当目盛り付き長さ計」の使用が認められている。尺という漢字は、親指と人さし指を広げた形からできており、もとは手を広げたときの親指の先から中指の先までの長さを表し、18cmくらいとされていた。長さは現在の尺の6割ほどということになる。
尺度
読み:しゃくど
「尺度」とは、計量における標準または図面の縮小や拡大の割合のこと。 図面では、1/10、1/5、1/2、1/1、2倍、5倍などがある。また、物の長さを測るための道具、物差しのことを指すことも。その他、長さや寸法の意味や、軽量の標準から派生して、判断や評価の基準の意味もある。尺度の中には次の4種類のものが含まれる。「比(例)尺度」は、数値の差や比、加減乗除の演算に意味を持つもので、長さや質量などの尺度。「間隔尺度」は、カレンダーの日付やセルシウス温度といった数値の差のみに意味を持つ尺度のこと。「順序尺度」は、レースの順位やモース硬度といった、数値の大小関係のみに意味を持つ尺度のことだ。「名義尺度」は、背番号や電話番号といった、順序や演算のできない区別のためだけに用いる尺度のことである。
尺貫法
読み:しゃっかんほう
「尺貫法」とは、日本古来の度量衡法で、長さの単位は「尺」、質量の単位は「貫」、体積の単位は「升」である。1958年までメートル法と共に併用されていた。しかし、現在でも建築現場においては尺貫法が認められている。長さは1寸が約30.3mm、1尺が約303mm、1丈が10尺で約3030mm。重さは、1貫が3.75kg、1匁が3.75g。容積の場合、1升が1.80386リットルとなっている。東アジアにおいて使用されているが、貫に関しては日本独自のもので、尺貫法という名前も日本独自のものだ。そのため、尺貫法と呼ぶ場合、狭義では日本固有の単位を表す。それに対して、中国固有の単位は、貫ではなく斤のため「尺斤法」と呼ぶ。
集中荷重
読み:しゅうちゅうかじゅう
1点に集中してかかる荷重のことをいう。
主筋
読み:しゅきん
「主筋」とは、鉄筋コンクリート造の建築物において、主に曲げ応力によって生じる引張力を負担する鉄筋のこと。柱の主筋は上下に貫通する太い鉄筋であり、梁の主筋は上部と下部に水平に流れる太い鉄筋である。主筋がバラバラにならないように、またせん断応力に抗するために、柱には帯筋を、梁には肋筋をそれぞれ巻き付ける。構造の負荷を負担するのに必要な主筋の太さや本数は、構造計算によって決定。主筋に対して直交する鉄筋のことを配力筋と呼ぶ。スラブや壁のような平面状の構造の場合には、力のかかる方向によって主筋と配力筋の関係が入れ替わる。一般に柱や梁の主筋径は13?25mm、スラブでは9?13mmの物が用いられる。
主任技術者
読み:しゅにんぎじゅつしゃ
「主任技術者」とは、建設工事を請け負った建設業者が、当該工事現場の施行技術の管理をするために置く技術者のこと。資格条件は、建築基準法第7条に定められており、重要な公共工事においては、工事現場ごとに専任の主任技術者を置かなければならないことが、同法第26条により定められている。主任技術者は建設工事を適正に実施するために施工計画を作成し、具体的な工事の工程管理や工事目的、工事用資材の品質管理、工事に伴う講習災害を防止するための安全管理を行なう。また、外注総額4000万円以上の元請負の現場には、主任技術者ではなく監理技術者の配置が必要。外注しない場合、または金額が4000万円未満の場合には主任技術者を配置する。
消火設備
読み:しょうかせつび
「消火設備」とは、火災を消火するための設備のこと。消防法で「国民の生命と財産を火災から保護する」と示されており、これに基づいて設置されている。消火設備は、規模の大きさにより第1種から第5種に分類される。第1種は1番規模の大きな消火設備で、屋内・屋外消火設備。屋内消火設備は放水性能に優れ、消火器では消火困難な火災にも有効である。屋外消火設備は、隣接する建物へも放水できる設備を指す。第2種は、天井に設置される、熱に反応して自動で散水するスプリンクラー設備。第3種は、水蒸気や泡、ハロゲン化合物などの粉末を放射する消火設備である。そして第4種が大型消火器、第5種には消火器、水槽、水バケツが指定されている。
床板
読み:しょうばん
床板とは、建物や構造物の床の基盤となる部分で、人や物の重みに耐える役割を担う。コンクリート製のものが一般的で、「スラブ板」とも呼ばれ、土木工事でも橋やトンネルなどの床部分に使用される。
消防法
読み:しょうぼうほう
「消防法」とは、消防機関の活動や権限、消防設備などの設置や義務、規制などについて基本的な事項を定めた、国が制定した法律。そして、法律の委任に基づく事項はすべて、内閣が制定する政令、各省の大臣が制定する省令、市区町村が制定する条例や規則で定められている。消防法の主な目的は、火災の予防や警戒により国民の生命や財産を保護すること、災害の被害を軽減すること、そして災害などによる傷病者の搬送を適切に行なうことの3点。消防法では、規模の大きな建物の場合、防火管理者の選任、防火計画の作成、避難経路確保などが定められている。そして消防法に定められていることに重大な違反があれば、指導や行政処分の対象となる。
植栽
読み:しょくさい
「植栽」とは、庭をはじめ、玄関まわりや門、塀のまわりなど、敷地に植えられる樹木や草花、または、それらを植えることを指す。また、門や塀、生け垣等の代わりとして植えられた樹木や、建物の屋上に植える植物なども「植栽」の一種。「植栽」には、視覚的に生活を豊かにするだけではなく、広さがあれば災害時の避難場所になったり、室温調節等をしたり、様々な効果・役割がある。樹木を植えて「植栽」を設ける場合、目隠しとすることが主な目的ならば、1年を通して常に葉を付けている常緑樹が好適。これに対し、木陰作りが主な目的ならば、冬場には日光が入るようになる落葉樹の方が適している。落葉樹を植えた場合、四季による葉の色の移り変わりを楽しむこともできる。
シンク
読み:しんく
「シンク」とは、キッチンの流し台の水槽部分のこと。業務用のシンクでは、ダブルシンクなど複槽式の使用が義務付けられているが、家庭用のシンクは、1槽だけのシングルシンクが主流。大きな鍋が洗えるように、間口を1m程度確保したジャンボタイプと呼ばれるシンクや、水栓の水ハネ音を抑えるため、シンクの裏面に音を低減する制振ゴムを接着しているタイプもある。シンクの設置方式は3つ。ワークトップと呼ばれるシンクとコンロの間にある作業台にシンクの縁をひっかける「オーバーカウンター方式」と、ワークトップの下で納める「アンダーカウンター方式」、ワークトップとシンクの継ぎ目のない「一体型方式」がある。素材は、ステンレスやホーローなどが一般的。
心心
読み:しんしん
「心々」とは、部材の中心線から他の部材の中心線まで、あるいは距離を指す。柱と柱、鴨居と敷居のように、相対する二つの部材の中心から中心までの寸法を表している。「真々(しんしん)」「心々寸法」「心々距離」とも呼ぶ。各部材の中心(心)からの距離を示しているため、心々と呼ばれている。基準尺の格子に柱心を合わせることを「心々制」や「真々制」と呼んだりもする。似た言葉に「内々(うちうち)」、もしくは「内法」というものもあるが、これは、二つの部材の内側から内側までの距離のことだ。また「外々(そとそと)」「外法」というものもあり、これは二つの部材の外側から外側までの距離のことである。
真鍮
読み:しんちゅう
「真鍮」とは、合金のひとつで、銅に亜鉛を加えて作る物のこと。銅をもとにするため黄銅とも呼ばれる。英語でbrassと表記される。約350年前から利用されてきた合金で、青銅よりはるかに歴史が短い。これは、亜鉛の沸点が約900度まであるためであり、通常の方法では作ることができなかったことによる。オリハルコンの正体のひとつではないかと考えられているが、その場合には何らかの精製方法を見つけないと証明できない。精密機器や給水管として使われてきたが、弾薬の薬きょうや金属模型にも多く使われている合金である。仏具や金管楽器にまで使われることがあり、身近なところでは5円玉の原材料になっている。日本での製法は18世紀の江戸時代には成立し普及した。
浸透式
読み:しんとうしき
「浸透式」とは、雨水や排水を、道路側溝や公共下水に直接流すのではなく、地下に吸い込ませる排水方式のこと。建物の排水管の末端は、公共下水道、都市下水路その他の排水施設に排水上有効に連結する必要があり(建基法施行令129条の2第3項)、下水道や側溝が未整備の地域において本方式が使用されている。通常、排水の吸い込みを効果的に行なうために、浅井戸状の穴に小石を詰めた浸透枡を設け、枡に排水を集中する方式が取られている。なお、この方式は雨水の廃水処理に使われることが多いが、汚水などについても所定の浄化槽処理を経て浸透式で排水されることも。インターロッキングや浸透式舗装を使って、路面の水をそのまま地面に浸透処理する方法もある。
CFシート
読み:しーえふしーと
「CFシート」とは、クッションフロアシートのこと。塩化ビニールの長尺シートのことでもあり、塩ビシートとも呼ぶ。着色塩ビシートではあるものの、中間層に発泡層が入っている。そのため、クッション性を持っており、敷くだけで足音なども吸収できるようになる。耐摩耗性と耐薬品性も持っており、汚れがついてもはじくため、簡単に掃除できるところが利点。メンテナンスや施工性にも優れることから、素早く敷くことができるうえ、ホームセンターなどでも簡単に手に入れられることができる。色や柄も豊富で、価格も安いため、キッチンやトイレ、洗面室などにも使われることが多い。
Cチャン
読み:しーちゃん
「Cチャン(リップ溝形鋼)」とは、「C」の字形をした軽量溝形鋼のことである。溝形鋼はチャンネルとも呼ばれていて、一般的には溝形鋼と軽量溝形鋼があり、そのうちCの文字形のものがCチャンと呼ぶ。Cチャンは厚さ1.6mmから2.3mm程度の薄い鋼材で、鉄骨造建築においては構造を負担しない部分や、小規模の建築物で使用することが多い。工場や倉庫などの比較的軽量な建築構造物の、建てはじめに目にすることが多く、多くは赤い錆止め材が塗布されている。また、赤だけでなくカラー塗装品として、他の色を塗布したCチャンを取り扱っている業者も多い。肉が薄いため溶接には不向きで、屋外の雨掛かりには使用しないほうがよいとされている。
シート防水
読み:しーとぼうすい
「シート防水」とは、塩ビ樹脂や加硫ゴムを原料としたシートを貼り付ける防水方法のこと。塩ビ樹脂のシート防水は、密着工法、脱気工法、機械式固定法で工事を行なう。密着工法は、接着剤でシートを下地へ固定するため、下地の撤去が不用で、改修工事に適している。脱気工法はコンクリートに含有される水分の影響で、シート防水層にふくれやしわの発生が予想される場合に使われる。機械的固定方法は、ドリルで塩ビ鋼板ディスクを下地に打ち付けて密着させる方法で、溶着剤または熱風にて瞬時に接合。ゴムシート防水は、密着工法のみである。塩ビシート防水は防水性が高くメンテナンスも不要というメリットがあるが、工事が難しく費用が高額となる場合が多い。
磁器質タイル
読み:じきしつたいる
「磁器質タイル」は磁器タイルとも呼ばれ、石英や長石、粘土などを1200?1350℃で焼成したタイルのことである。緻密で硬く、吸水率1%以下でほとんど水を吸わない。耐凍害性や耐摩耗性に優れており、メンテナンスが容易であるため、外装タイルや歩行頻度の高い公共施設の床タイルなどに使われることが多い。自然環境に対しても、酸やアルカリなどの薬品に対しても、変色や変質がしにくいなど、耐久性に優れた特性も持つ。また、風合いや色彩、形や材質感など種類も豊富なため、世界中で好まれているタイルである。陶器質タイルはたたくと濁った音がするが、磁器質タイルはたたくと金属音がする。
浄化槽
読み:じょうかそう
「浄化槽」とは、家庭や集合住宅でし尿を浄化するための施設のこと。腐敗槽、酸化槽、消毒層に分けられており、汚水を浄化することができるようになっている。下水処理場に繋げることができないような地域で利用されていることが多い。本来であれば終末処理場での処理が衛生上も理想的であるが、下水道はどこでも整備されているわけではない。そこで、できる限り衛生的に問題がない状態にまで浄化できるようになっている。補助的な設備として進化しているが、かなり高性能な物も出ている。「浄化槽」には2種類あり、し尿だけを処理することを目的とした単独浄化槽と、生活雑排水も同時に処理することができる合併式浄化槽に分類。新築の場合には、合併処理浄化槽しか選択することができなくなっている。
上代
読み:じょうだい
「上代」とは、小売店頭で消費者に販売する価格のことである。これに対して、元請けから見た仕入れ額や外注費のことを下代と言う。また、役所が公共工事を発注するときに設定した価格のことを上代価格と呼ぶ。
人工地盤
読み:じんこうじばん
人工的に作られた建設用の地盤。都市部など土地利用の有効化を図るために,既存構造物で容積率に余裕がある空間に建設し,その上部に建築物を建てる場合が多い。
GL
読み:じーえる
「G.L」とはグランドレベルの略で、建物などの地盤面の高さを示す。グランドレベルには、現況GL、設計GL、平均GLがある。現況GLは建築を始める前の高さであり、設計GLは基礎工事後の高さ、そして平均GLは、確認申請等で使用する建物の高さを測る基準となる高さのことだ。基礎工事は地面を掘削し砕石を入れてコンクリート基礎を作るため、掘った土を基礎工事完了後の埋め戻しに使うと、およそ10cm、もとの地面より高くなる。これが設計GLだ。設計GLが高すぎると道路から建物へのアプローチで段差が多くなって工事費用がかさんでしまい、逆に低すぎると雨の処理ができなくなるなどの不具合が発生する場合がある。
す
水道メーター
読み:すいどうめーたー
「水道メーター」とは、水道水の使用量を計測する器機。この数値をもとに水道料金が換算される。一般住宅では主に、玄関先の他、台所などの水まわり付近の通路に設置され、また、集合住宅では各戸の玄関横の外壁に設置。「量水器」とも言い、水道メーターは「量水器」と刻印された箱の中に収納されている。地面に設置されていることも少なくない。水道メーターには、いくつかの種類がある。「接線流羽根車式」がもっとも一般的であるが、これは、羽根車に直角に水を噴射させ、羽根車を回転させ、この回転数で流量換算を行なう方式だ。これ以外にも、「容積流量計水道メーター」「直読式水道メーター」「電子遠隔式水道メーター」などがある。
水平器
読み:すいへいき
「水平器」とは、水を入れた管の中の気泡によって水平を表す器機のこと。ある物体の地面に対する傾斜や角度(垂直、水平、45度など)を確認するために器具である。縦と横の2本の管によって水平と鉛直をそれぞれ表すことができる物が多い。気泡管水準器、レーザー水準器などの他、デジタル式の物もある。「水準器」または「レベル」とも言う。建築、土木、測量などの分野で使用される。「気泡管水準器」は、金属製や樹脂製のケースの中に、ある角度で取り付けられた気泡管を使用。気泡管には線が入っており、物体の面にフレームを当て、気泡管の中の気泡の位置がもっとお内側の線の中央にあれば、地面に対して規定の角度となる。「レーザー水準器」は、レーザー光線を使い、対象物に照射して水平を目で見て確認する。
スタッドボルト
読み:すたっどぼると
「スタッドボルト」とは、両端にネジがあるボルトのこと。ネジを切った穴に一方をねじ込み、固定するための部品には穴をあけてスタッドボルトを通し、ナットで締め付けて固定する。どちらにも締め付けによる力が発生するため、固定する力が強い。取り付け取り外しが繰り返されるような場合でも、位置を決めれば容易におこなえるようになるため、自動車などで使われることが多い。六角ボルトを使うと、ボルトとボルトの間から液漏れなどが生じる危険性が高まるために、対策として使われていることもある。スタッドボルトには頭部も存在せず、全面にネジが切ってあることから、全ネジとも呼ぶ。天井にアンカーを打ち込み、スタッドボルトを使って部材をつりさげるときにも使用される。
ステンレス
読み:すてんれす
「ステンレス」とは、ステンレススチールのこと。ステンレス鋼の略として使われている。特殊鋼のひとつであり、炭素量が少ない。鉄を主成分としながらクロムやニッケルなどを多く含むため、錆びにくい性質を持っている。英語のstainlessを意味しているため、汚れにくいことが特性と言える。クロムが酸素と結びついていくことで、酸化膜を形成しているため、錆びにくいだけではなく、汚れもつきにくい。この特性を利用して、シンクなどの厨房用品や水まわりに利用しても錆などに悩まされることがない。加工もしやすく耐熱性や耐酸性も持つことから、家庭用だけではなく、建築用にも数多く利用されている。外壁にステンレス釘を利用すると錆が出ることはなくなる。
スパンドレル
読み:すぱんどれる
「スパンドレル」とは、金属化粧板のこと。留め付けのビスが目立たないように隠すことができる構造を持っている。外壁や天井材として使われることが多く、幅は10cm程度で、断熱材を裏打ちしている物も販売されるようになった。サイディングのひとつではあるものの、窯業系の物とは価格帯が異なり、高価になってしまうのがデメリットと言える。防火構造のひとつとしてもスパンドレルが存在する。消防法に記載される防火区画のひとつであり、区画されている部分がガラス張りであった場合、隣の区画に火災が延焼する可能性が高くなるため、接する部分の壁や床などの構造で延焼を防ぐ。これを総称としてスパンドレルと呼び、腰壁と訳すこともできる。
すべり抵抗値(BPN)
読み:すべりていこうちびーぴーえぬ
すべり抵抗値(BPN)は、振り子式スキッドレジスタンステスタで測定して得られるすべり抵抗値の値です。BPN とは British Pendulum(Tester)Number の略
スペーサー
読み:すぺーさー
「スペーサー」とは、隙間を確保するために使われる物のこと。様々な物があるが、鉄筋がかぶりを確保するために使われる物がよく知られている。型枠や捨コン、スラブの間に入れることによって、かぶり厚を明確に確保できるため、多く用いられるようになった。型枠の隙間を確保するために使われる物は、鉄筋に取り付けられる円形のプラスチック材で、ドーナッツと呼ばれることが多い。捨コンやスラブの間に取られる物は、重量がかかることからコンクリート製の物を使う。これをスペーサーよりも、サイコロと呼ぶことが多い。これは、四角い立方体の小片を使うからである。どんな物にせよ異物となるため、必要最小限としなければいけない。
スラブ
読み:すらぶ
「スラブ」とは、床の荷重を支える構造床のこと。構造的には「スラブ」の厚さが150mm程度あれば強度を確保できる。しかし、特にマンションの場合、下階への騒音などの問題があるため、床スラブの厚さは、構造耐力で決めるよりも、マンションの騒音対策として床スラブの厚さを決めることが多い。コンクリートで造られている床は「コンクリートスラブ」とも呼ばれ、床として用いられる場合は「床スラブ」とも言う。床には鉄筋が碁盤目状に並べて配筋されており、鉄筋コンクリートの床スラブの場合、梁といっしょに造られる。「スラブ」は、柱や基礎などと同じく、建築物の耐久性や強度などに直接影響するために、継手位置や定着状態、かぶり厚さなどについて、コンクリート打設の前に検査される。
スリット
読み:すりっと
「スリット」とは、細い隙間のこと。通風目的や光を取り入れることを目的に設けられることが多い。意匠的な観点で用いることもあるが、耐震的な構造を取るために入れられる物のことを耐震スリットと呼ぶ。このスリットは、地震によって建物が揺れた際の力を逃がし、一部に集中的にかかってしまうことを防ぐ。柱と梁、壁というブロックごとに考えて、切り離すようにしてしまう。スリット部分には、鉄筋を連続させずにパッキンなど緩衝材を挟む。補助的な鉄筋を入れて構造的に完全に分離しないようにもできる。コンクリートは連続しなくなるため、薄いが染みると漏水の危険性になりやすく、有機物を挟むことで、耐火構造的には弱点になることも出てくる。
スリーブ
読み:すりーぶ
「スリーブ」とは、鉄筋コンクリートで造られた壁、床、梁、基礎の部分に給排水管や各種設備配管の貫通孔を確保するため、先に埋め込んでおく筒状の管のこと。様々な配管や配線を通すために作った、ひとまわり大きい管であるさや管を意味する。具体例としては、基礎などのコンクリートによる建設時、設備配管のための管を抜くのに使う紙製のボイド管や、円形のコンクリート柱の枠に使うボイドチューブ、また水道管、下水道管、電線管、土木用などに用いられる、塩化ビニル樹脂を主原料とした配管材料である塩化ビニル管などがある。また、エアコンのホースの取り付け口を「スリーブ」と呼ぶことも。型枠工事のときに使われる器具である。
寸
読み:すん
「寸」とは、尺貫法による長さの単位。1891年制定の度量衡法によると、1寸は1/10尺で、1/33m、つまり約3.03cmである。古代中国から、日本では大宝令以前から使用されている単位だ。元々は親指を当てたくらいの長さとされていた。平安時代には「す」と書かれ、古代文献では訓で「き」と呼ばれることもある。日本では、成人男性の身長はだいたい尺台(約150cm?180cm)だったため、身長を言う際、5尺を省略してその下の寸だけを言うのが慣習であり、例えば「身長6寸」と言うと5尺6寸という意味だ。また、勾配を表す際にも1尺に対する垂直方向の長さを、寸を用いて表していた。その他、長さや寸法、ごく短い、またごく少ないという意味もある。
せ
設計図書
読み:せっけいとしょ
「設計図書」とは、工事に必要な図面・設計図と仕様書を合わせた物である。実施設計図書とも呼ぶ。建築基準法の第2条12項に「設計図書」について「建築物、その敷地またはこの法規で規定されている工作物に関する工事用の図面(現寸図その他これに類するものを除く。)及び仕様書をいう」との言及がある。設計図とは、構造や形状を描いた物で、平面図・立体図・断面図など多くの種類の図面が存在。仕様書には、具体的に工事の内容や方法が記載されており、図面で表せない物が表記されている。「設計図書」は業者や設計者によって違いが見られ、いくつかの種類の設計図面を提出するところもあれば、一部の設計図面のみを作成するところもある。
折板
読み:せっぱん
「折板」とは、金属板を凸型に折り曲げた物のこと。ガルバリウム鋼板が多い。金属板を使った屋根工法で、金属部材を使うことになるため、下地が少なくても長いスパンを施工できるメリットがある。折板は外壁にも使うことができる。継ぎ目も作らずに大きな面積を施工することができる反面、意匠的に考えた場合には、一面同じようになってしまい変化が乏しくなってしまう。こうした意匠的なことをあまり問題とすることがない、工場などで用いられることが多い。勾配的にも緩く付けることになるが、ロール材を使い現場加工をすることで、100m程度までは継ぎ目なしの施工することができる。端部のおさまりの問題もあることから、小規模建築物に使うのは難しい。
洗濯機防水パン
読み:せんたくきぼうすいぱん
「洗濯機防水パン」とは、洗濯機の排水を適切に流すための置き場のこと。洗濯機の下部に設置することで、排水時の水漏れを防止することができる。大半は樹脂製であり、箱状になっている。排水トラップとセットにすることで効力を発揮する。最近では利用しないということもあるが、有利になることはあっても、不要ということはない。仮に1階であっても同じことであり、設置してあったほうが水漏れの心配をしないで済む。2階以上の場合には、設置することが常識とも言える。デメリットとしては、洗濯機防水パンがあることで掃除がしにくいということになるが、設置方法を工夫したりすることができれば解決することができる問題であり、不要ということとは関連しない。
ゼネコン
読み:ぜねこん
「ゼネコン」とは、General Constructorの略で、総合工事請負会社のこと。ゼネコンは、建設に関する幅広い知識と様々な力をもつ業態であり、建築工事一式、土木工事一式を元請で受注し責任施工する。各工事種目の専門下請業者を常雇で配下にかかえ、資金力、技術力、資材調達力、施工、ノウハウなどを駆使し、工事において多種多様な総合設計施工管理の能力を有している。ゼネコンでは、個人向けの戸建住宅や小規模な集合住宅などを手がけることがほとんどなく、基本的には規模の大きなテーマパークやショッピングモール、超高層ビルなどの商業施設や、美術館や博物館、市庁舎などの公共設備などの建設を行なう。
そ
阻集器
読み:そしゅうき
「阻集器」とは、配管が詰まってしまったりする原因となる物を通さないようにする設備のこと。有害や再利用可能な物質も収集する。これにより、自然に水のみを排出することができる、葉椅子設備を指す。排水トラップと一体になった物が多い。排水内に様々な異物が流れると、配管が詰まるだけではなく、汚水の逆流まで起こる可能性が出てくる。特に大きな施設では被害も大きくなるため、阻集器が重要な役割を持つ。人目につくような場所に付けられることは少なく、土間の中に埋められることもある。厨房用のグリース阻集器や、ガソリンスタンドなどのオイル阻集器が代表的。定期的にメンテナンスする必要があるが、清掃業者など専門の知識が必要になることが多い。
外断熱
読み:そとだんねつ
「外断熱」とは、断熱工法のひとつで、主にコンクリート製の建物において、構造体の外側から、パネルタイプなどの断熱材全体を覆う断熱工法のことである。「外断熱」の建物は、壁内部の結露が発生しにくく、カビやダニを抑える。コンクリートの躯体全体を覆うことから、建物が外気温の影響を受けにくいため、1年中安定した室温を保ち、また建物自体も傷みにくく寿命が長くなる。部屋ごとの温度差も小さく、蓄熱性が高いので冷暖房効率が高くて経済的である。しかし、日本では「外断熱」は開発が遅れ、まだ汎用工法が確立されていない。このためコストが割高で、施工業者による仕上がりのバラつきがあるなどがデメリットとなる。ちなみに以前から行なわれてきた、構造体の間に断熱材を詰める断熱工法は内断熱と言う。また木造住宅の「外断熱」のことは、外張り断熱と呼ぶ。
た
耐火性能
読み:たいかせいのう
「耐火性能」とは、建物が火災にあった場合でも、構造体が安全である性能のこと。通常、加熱時に構造性能を維持できた耐久時間によって、耐火性能を表示する。耐火性能は、法律上定められた試験方法により、国土交通大臣が指定する試験研究機関の試験評価の結果によって、国土交通大臣が認可。燃え尽きる、下火になるといった、火災が終了するまでの間において、建物の延焼や倒壊を防ぐため、建物の外壁や間仕切り壁、床、柱、梁などに必要とされる防火の性能のことである。性能の有効性の最上位に位置するのが耐火性能で、その次に当たるものが防火性能だ。防火性能は、加熱開始から30分間、外壁に構造耐力上支障のある溶解、破壊、変形などが生じないという、非損傷性や遮熱性などが挙げられる。
耐候性
読み:たいこうせい
「耐候性」とは、日光や雨などの天候がもたらす要因に対する耐久性のこと。退色や脆化などの進行具合で判定。建築材料の場合、屋外で使用する際の耐久性となる。風雨、温度変化、太陽光などに対して劣化や変質を起こしにくい性質のことだ。また、塗料、プラスチック、繊維、有機素材などの工業製品が、温度、湿度、太陽光、雨などの自然環境に耐えられる性質のことである。劣化の要因は大きく分類して、光、水、熱。光による影響は、太陽光による粉化減少や変色があり、熱による影響は温度変化による素材の伸縮や膨張がある。水による影響は、雨による浸食、加水分解、昼夜の温度差による結露といった問題が考えられる。
タイル張り
読み:たいるばり
「タイル張り」とは、壁や床にタイルを張ること。タイルは陶磁器製の他にもコルクタイルやプラスチック系もあり、用途は外装用タイル、内装用タイル、床用タイル、モザイク用に分類される。施工法はモルタルやセメントでペーストを用いて張り付ける湿式が一般的。しかし、外壁に特殊な金具で取り付ける乾式工法もある。アピールポイントとして「外観タイル張り」と強調されるように、重厚感や高級感があり、多くの人に好まれる。また、耐久性が高いとされているが、それはコンクリートの劣化の原因として挙げられる風雨や日光などから、タイルで覆っているためだ。吹き付けタイルはタイル張りとは異なるため、似た名称ではあるが耐久性が劣っている。
タイル割り
読み:たいるわり
「タイル割り」とは、タイルを割り欠くことなく、仕上げの視覚効果を上げるためにタイルの配置を割り付けること。水栓やコンセント、照明器具などとの位置関係も考慮して割り付け方を決定する。タイルの色や大きさを使い分けて模様を作る場合はもちろん、同サイズ、同色のタイルを張る場合でもタイル割りは必要だ。半端が出ないように、目地幅で調整を行なう。半端が出た場合にはタイルをカットして張ることもできるが、左右の端の並びがそろわなくなったりといったことも起こり、見栄えが悪い。また、きちんとタイル割りをすれば、タイルの無駄をなくすこともできるため、タイル張りの事前準備としては欠かすことのできない作業である。
タッチアップ
読み:たっちあっぷ
「タッチアップ」とは、塗装工事で一度仕上げたところに部分的に修正塗りをする工事のこと。転じて、木部などを補修することもタッチアップということがある。足場工事では、足場材が邪魔になって部分的に塗装が行なえなかったり、誤って塗装に疵が付いてしまったりする場合があり、そのため、それらの部分にタッチアップを行なう。足場工事にタッチアップを行なうのは、足場解体時だ。この場合、塗装を行なうのは塗装業者ではなく解体作業を行なう足場鳶である場合が多い。また、塗装品などの幕板や鼻隠し、破風板を釘止めした場合などに、釘頭を隠すためにタッチアップを行なう場合もある。部分的な修正であるため難しい技術は不要だが、気を付けて行なわないとタッチアップした部分のみが全体の中で浮いてしまう。
駄目工事
読み:だめこうじ
「駄目工事」とは、工事完成の前の段階で、わずかに残っている未完成部分を完成させる工事、あるいは不具合な部分を手直しする工事のこと。施主の立ち会いで行なう引渡し検査で、施工不良を指摘されて駄目工事となることもある。傷や汚れの修復、建具の調整など行なわれることが多いが、工事本体にかかわる駄目工事が必要となることも。駄目工事に関しては、費用は施工業者の負担となり、終了するまで引渡しを拒むことができるが、引渡しの遅れを防ぐためにも、駄目工事が発生しないよう、工事中も現場の状況を確認しておくことが大切。なお、引渡し後に気が付いた傷や完成してみて初めて必要と気が付いた工事は、駄目工事ではなく追加工事となる。
断熱構造
読み:だんねつこうぞう
「駄目工事」とは、工事完成の前の段階で、わずかに残っている未完成部分を完成させる工事、あるいは不具合な部分を手直しする工事のこと。施主の立ち会いで行なう引渡し検査で、施工不良を指摘されて駄目工事となることもある。傷や汚れの修復、建具の調整など行なわれることが多いが、工事本体にかかわる駄目工事が必要となることも。駄目工事に関しては、費用は施工業者の負担となり、終了するまで引渡しを拒むことができるが、引渡しの遅れを防ぐためにも、駄目工事が発生しないよう、工事中も現場の状況を確認しておくことが大切。なお、引渡し後に気が付いた傷や完成してみて初めて必要と気が付いた工事は、駄目工事ではなく追加工事となる。
ち
鋳鉄
読み:ちゅうてつ
「鋳鉄」とは、炭素と珪素を一定量含む鉄の合金のこと。鉄を使って作る鋳物のことも鋳鉄と呼ぶことがある。鋳鉄は、炭素を多く含むため、グラファイトが晶出することが特徴。冷却速度や合金の成分でも変化していくが、これによって強度も変化している。一般的な鋳鉄であるネズミ鋳鉄は硬いが伸びがないためにもろい。球状に析出されるようにしたダクタイル鋳鉄は、靭性が向上しているが、減衰能ということではネズミ鋳鉄に劣ってしまうことになる。そのため、種類は様々とあるが、利用条件に合わせて選択しなければならない。理想的な鋳造材料として使われ続けており、現在でも巨大構造物に利用されている。炭素が一定量以下の場合には、鋳鉄とは呼ばずに鋳鋼と呼ぶ。
つ
継手
読み:つぎて
継手とは、2つ以上の部材を同一方向に継ぐ方法、またはその接合部のことを言う。継手した鉄筋は、伝統的な日本家屋の梁など、長い鉄筋が必要な場合に使用される。建造物において、継手は最大の弱点となり極力使用を避けられるが、接手を行なう場合は、強度の基準をクリアした金物の使用が不可欠となる。鉄筋継手には、機械式接手など特殊な鉄筋接手もあるが、一般的には鉄筋の太さにより、重ね継手かガス圧接継手を利用することが多い。重ね継手は、短い鉄筋を重ねて一本の鉄筋のように配置する工法である。またガス圧接接手は、鉄筋端面同士を突き合わせて鉄筋軸方向に圧力を加えて密着させ、加熱して柔らかい状態にしたものを押し付けて接合する工法である。
て
定尺
読み:ていじゃく
「定尺」とは、部材の中でも一定の寸法になっているもののこと。基準サイズでもあり、規格として定められていることが多い。標準寸法もあるが、もっと集約化されているところが特徴。柱の定尺としては、3mと6mがある。母屋の場合には、土台と同じ定尺で4mとなっている。他にも、ベニヤ板や石膏ボードは3尺×6尺が定尺ではあるものの90cm×180cmといったもののほうが定尺として利用される傾向が強い。こうした定尺がはっきりしているため、切り出しできるサイズもはっきりするため、見積もり上で使う枚数や個数、本数なども割り出すことができる他、切り出し方を間違えれば、不経済になってしまう。設計をするものは、この定尺を良く知らなければならない。
鉄筋コンクリート造
読み:てっきんこんくりーとぞう
鉄筋コンクリート構造、RC造とも言う。鉄筋コンクリートの部材で形成した構造の総称である。
鉄筋コンクリートとはコンクリートの中へ鉄筋を組み入れたもので、コンクリートの引張りに弱い性質を鉄筋で補った材料である。建築物の主要構造部をつくるのに用いられる代表的な構造であり、長所は耐火性、耐久性に優れ、構造形態が自由にでき、耐震性に優れた構造をつくることができる所。短所は自重が重い、ひび割れができやすい、施工が繁雑で工事期間が長くかかるなどである。
鉄骨造
読み:てっこつぞう
「鉄骨造」とは、鉄材や鋼材を柱や梁に使用した建築物の構造の一様式。「鉄骨造」は、S造やS構造あるいは鋼構造などとも呼ばれる。材料や接合部分の強度が安定しているため、中間柱を減らし広い部屋を造ることができるという利点がある。「鉄骨造」は、使用される鋼材の厚さによって重量鉄骨構造と軽量鉄骨構造に分類。基準となる厚さは6mmで、これ以上が重量鉄骨、これ未満は軽量鉄骨である。「鉄骨造」は、特に断りがない場合、重量鉄骨ラーメン構造であることを意味する。重量鉄骨造は頑丈で、力学的性能が非常に優れているが、建物の重さが非常に大きくなるので、かなり強固に基礎を造る必要があるため、一般的に、軽量鉄骨と比べて建築費用が高くなる。
鉄骨鉄筋コンクリート造
読み:てっこつでっきんこんくりーとづくり
鉄骨鉄筋コンクリート造とは、柱や梁を鉄骨や鉄筋で組み、その周りをコンクリートで流し込んでいく構造のこと。住宅用語などで出てくるSRC造のことを言う。(※SRC…Steel Reinforced Concreteの略)鉄骨、鉄筋をコンクリートで周りを囲むことにより、錆を防ぎ、さらに耐火性を持たす役割を果たしている。この構造は強度が高く、高層・超高層マンションなどに用いられる。他の工法より強度はもちろん、耐震性、遮音性に優れている。鉄骨鉄筋コンクリート造は柱や梁を比較的小さくすることが可能であるため、大空間や間取りなど自由度が増すといったメリットがある。しかし、コストが高くなってしまうといったデメリットも発生する。
鉄平石
読み:てっぺいせき
「鉄平石」とは、安山岩の一種で、割ると平らになる石のこと。長野県諏訪地方で数多く産出しており、屋根材としても利用されてきた。これを信州鉄平石と呼ぶ。歴史的にも、1811年に諏訪地方で屋根材に使われた記録がある。2cm?3cm程度の厚みに割れる性質を持っており、群青色や赤系の物までいろいろな物が存在している。緻密な組成を持っていることから、耐圧強度や耐火性に優れていることから、玄関の土間や壁材にも利用されてきた。平たく割れることから、平らに加工して乱尺貼りなど貼り付けていく方法もあるが、積み重ねて小口を見せるといった使い方もできる。高く積み重ねることは難しくなるため、花壇などに使うと、鉄平石の特徴を前面に出せる。
テラス
読み:てらす
「テラス」とは、家屋の母屋から建物外部に突き出した部分のことである。様々な形態があるが、基本的に戸建住宅、または専用庭のあるマンションの1階に設けられ、「テラス=盛り土」という原義の通り、本来の地盤面よりはやや高くなっている。通常は掃き出し窓や扉などによって屋内とつながっている他、土の庭にもそのまま出入りすることが可能。「テラス」には、表面がコンクリートの物だけでなく、レンガ、タイル貼り、石貼り、ウッドデッキなど材質の違いの他、周囲を枠や柵で囲まれている物や、屋根の有無など、様々なバリエーションがある。なお、2階以上に作られた家屋の突き出し部分は「バルコニー」や「ベランダ」と呼ぶ。
テラゾー
読み:てらぞー
「テラゾー」とは大理石や花こう岩の粋石をセメントに混入して、表面を平らに磨き上げた物。床や壁に使われる人造大理石。イタリア語で「Terrazzo」と呼ばれる。一般に花コウ岩や安山岩が使われる擬石と区分されており、粉砕された粋石は種石と言う。天然石に比べて低価格、高耐久性で手入れが簡単である一方、酸や熱には弱い。 工場で生産される物を「テラゾブロック」と呼んでいる。主に床材や壁材、テーブルなど、板状の製品をつくる際に用いられる。人造石以外に樹脂で固めた物を「樹脂テラゾー(レジンテラゾー)」と呼ぶ。なお、人造石にはテラゾーの他に、原料に天然石を使わず、アクリル・ポリエステルで作る人工大理石もある。
天端
読み:てんば
「天端」とは、部位や部材の水平にした場合の上面のこと。上端と呼ぶこともあるが、この場合には、上下関係を表している言葉になるため、対応した下端が存在する。天端として呼ぶ場合には、これ以上上に何も存在しないといったことが多い。位置を決める場合に天端で合わせるといった使い方をすることがある。規模は異なるが、ダムや堤防で使われる場合には、一番高い部分のことをさす。最頂部であり管理用道路が通されたりするため、車両を通すことができるだけの幅がある。洪水などのときにも利用されることになるため、砂利を引いてあったりするだけではなく、ほとんどは舗装されている。材が水平でない状態のときには使われないことがほとんどだ。
出隅
読み:ですみ
「出隅」とは2つの壁や、板が出会う出っ張った隅(角)のことである。「入隅」はその反対の引っ込んだ隅(角)のこと。建築現場では測定基準点から出隅まで何ミリというように築物の長さを測定するときに使用。また、タイルを貼る場合にも基準点から入隅や出隅まで何枚貼るなどと、職人同士で伝え合ったりする。大規模修繕工事では入隅・出隅の補修が必要になり、特に防水工事が大切だ。出隅の防水で良く見受けられるのが、屋上やバルコニーの平場と立上がりが向かい合った角になり、一般的な防水工事として補強シールを貼り、ウレタン防水を行なうことが多い。このように凹凸のある部分は劣化しやすいことがあるので、大規模修繕の事前調査で診断することが重要となる。
デッキプレート
読み:でっきぷれーと
「デッキプレート」とは、亜鉛メッキを施した長尺に作られた鉄板のこと。荷重に対する強度を高めるために、角波型に成形してある。鉄骨造りの場合には、デッキプレートの上にコンクリートを打設することも。型枠もかねて床の下地材として使うことが多い。凸凹の小さい物もあり、これらはキーストンプレートと呼ばれ区別されている。強度があることからも、少ない支持しか得られない状況でも、長いスパンに利用することができるところがメリット。長いスパンを施工できることからも、工期を短縮できる効果も期待できる上、コンクリートのスラブよりも、デッキプレートその物のほうが軽量なため、そのまま床材や屋根として使うこともある。
電気亜鉛メッキ鋼板
読み:でんきあえんめっきこうはん
「電気亜鉛メッキ鋼板」とは、鋼板を亜鉛メッキした物のこと。トタン板も電気亜鉛メッキ鋼板のひとつとなる。屋外で使用されるほど防錆能力が高いが、これは亜鉛の表面に酸化被膜が形成されているためで、仮に傷ができても亜鉛が先に酸化するため、内部の鋼板を錆びさせずに済む。以前はトタン板のような物しか製造できなかったが、技術の向上により、様々な物が作られるようになった。ただし、亜鉛が先に溶け出すため、食品を入れたりすることはできない。鋼板をメッキ層に付けてから、電気を解することでメッキするため、層は薄くなるが均一に仕上げることができる。塗料の付着も良くなるが、電気亜鉛メッキ鋼板の表面をリン酸塩で処理するボンデ処理を行なうと性能が向上する。
電着塗装
読み:でんちゃくとそう
「電着塗装」とは、電気的処理によって表面に塗膜を形成させる方法のこと。金属への塗装で行なわれる方法。比較的低濃度の水性塗料の中に金属を電極として浸し、浴槽を対極とすることで電流を流して均一な被膜を作り出していく。塗膜にだれが出たりすることがないため、塗装の損失が少なくなり、効率的に塗装できる。塗装時間はかなり短く、直接塗装することがないため安全性も高い。通電条件の調整などが管理できれば、品質も作業も容易であり、効率的な運用が可能となる。電流が流れることが条件となるため、金属が対象となってしまうが、複雑な形状でも均一な塗装ができることから、自動車の車体や部品の塗装に多く使われている方法だ。
と
樋
読み:とい
「樋」とは、雨が降ったときに、屋根の上に落ちた雨水を集めることで、スムーズに配水する装置のこと。雨水を樋に集めることによって、意図しないところに漏水させることがないため、建物の腐敗を防げる。樋は建物の耐久性を保つためにも重要であるが、樋を使うことによって、雨水が落ちて生ずる騒音も防止することも可能だ。雨水の落下によって、庭の土が掘り返されてしまうことを防ぎ、水たまりができたりしないようにする。金属製の物が使われていたが、腐食の問題や叩き出しができる職人の減少により、塩ビで作られた物が主流となった。外観状、樋が見えるということは、壁がフラットにならないため、見えないように隠した物は内樋や隠し樋と呼ばれている。
等分布荷重
読み:とうぶんぷかじゅう
ある範囲にわたって分布して作用する荷重を分布荷重といい、その大きさが一様である場合に、等分布荷重と呼ばれる。
等辺山形鋼
読み:とうへんやまがたこう
等辺山形鋼とは、二辺の長さの等しい直角の鋼材を指します。アングルと呼ばれることもあり、断面性能が他の形鋼と比較して高くないため、梁・柱等の構造材としてではなく工場内のデッキ・架台等の土台の固定、開口補強や下地材補強等、簡易な骨組みを作る時に使用されます。
塗膜防水
読み:とまくぼうすい
「塗膜防水」とは、ウレタンやエポキシ樹脂を主原料にした液体の防水材料を、刷毛またはスプレーで1回ないし数回下地に塗布し、被膜を形成して防水する方法のこと。塗膜防水は、屋根や外壁、地下防水などあらゆる箇所に使用することができる。ガラス繊維を入れて強度を高めることもでき、弾性があるため、階下への衝撃音を緩和することも可能。防水処理には、塗膜防水の他に、シート防水やステンレス防水などの工事方法があるが、防水面に継ぎ目が発生しない点や、シートでは防ぎきれないような細かい箇所にも防水処理を施せる点が、塗膜防水のメリットだ。なお、耐久性や臭いの違いは、ウレタンやアクリルなどの主原料となる樹脂の違いによるものである。
トラフ
読み:とらふ
U字溝、道路排水溝および配管・配線などのためのU字形の溝をいう。
トルエン
読み:とるえん
「トルエン」とは、有機化合物のひとつで水に溶けにくく有機溶剤としてアルコールや油を溶かす溶媒液として使われている液体のこと。水には極めて溶けにくい性質を持っており、様々な物に利用されてきた。劇物に指定されており、一定量を短期暴露すると、行動障害や皮膚の知覚異常を引き起こす。中毒性も持っており、脳障害を起こすと回復不可能となる。揮発性が高いことから、接着剤に使われることが多く、塗料にも利用されている。利用すると時間とともに揮発するため、室内などでは放散していくことになるが、引火性を有しているため危険性も高い。一定量を貯蔵する場合には、液体状でも危険性が高いこともあり、消防署への届け出が必要となる。
ドライ厨房
読み:どらいちゅうぼう
ドライ厨房とは、衛生環境を良くするために、厨房を乾いた状態に保って調理を行なう形態のこと。といっても常に乾燥状態にするのではなく、しっかりと洗剤で洗ったあとにふきあげて細菌が繁殖しにくい状態に保つことが目的。
ドレン
読み:どれん
「ドレン」とは、水抜きのために設置されている装置のこと。雨水や雑排水といった物を処理するためにも使われる。管だけではなく溝を付けた物もドレンと呼ばれることがあり、ドレーンとも呼ばれるが意味は同じ。エアコンに取り付けられているような物は、結露による廃液を排水するためにある。日本建築の屋根は勾配が付けられるために必要がないが、屋上階がスラブなどになっている場合には、樋につなぐことで雨水を流さなければならない。ベランダにも必要だが、落ち葉などのごみによってつまってしまうことがあるため、すぐに除去することができるなど対策を施していく必要がある。ドレンがつまったり何らかの問題で逆流したりすると、他に配水する設備がない場合は大きな問題となる。
な
内寸
読み:ないすん
「内寸」とは、内法(うちのり)のこと。モノの内面を測って寸法を表わした物、または寸法を指定する方式のことを言う。箱の内寸の場合、その箱にどれほどの製品や商品を入れることが可能かを計算するために必要な数値となる。段ボールケースの場合、特に商品発送の際には内寸が重要だ。外法のことは「外寸」と言い、箱全体の寸法を表す。貼箱がどれくらいの大きさになっているかを指し示す数値である。建築においては、壁や建材の厚みを考えずに計測した寸法が内寸だ。建築現場や図面には壁の厚や柱の中心から測った壁芯や外寸、有効寸法といった様々な長さがあるため、どの基準に基づいて測った物なのかを見極める必要がある。
難燃材料
読み:なんねんざいりょう
「難燃材料」とは、燃えにくい建材のこと。総称として使われており、難燃性合板や難燃繊維版、難燃プラスチックなどがあり、それぞれに特徴がある。共通の特徴としては、それまで燃えやすい性質を持っていたのにもかかわらず、加工をすることによって燃えにくくしていること。燃えにくいということであって、難燃材料を使えば燃えないということではない。あくまでも火が付きにくく、延焼には時間がかかる材料であるということになる。建築基準法では、火による加熱が始まっても5分間は燃焼し、変形しないという定義を持っている。この際に有毒なガスや煙も発生してはならない。これにより、火事に見舞われたとしても、初動を取る時間の余裕があり、避難することもできるようになる。
に
逃げ
読み:にげ
「逃げ」とは、部材に狂いが出たときに、誤差を受け止めることができる余裕のこと。隙間を作っておくことで、余裕を持たせておく。逃げとは言わず、遊びと呼ぶことも。表面上は、何があったかは分からないようにすることができる。変形してしまったときでも、逃げがあれば、その状況を見せることがない。細かなことを吸収できるようになるが、その状態を見せることなく処理することができる。逃げ仕事とも言われるが、いかに見えないように作っておくのかということも、完成度を高める仕事と言える。したがって、逃げをゼロにすることは、仕事として完璧とは言えない。必要最低限の逃げを用意しておくことが重要であり、どこに逃げを作るのかを判断することが大事となる。
ね
根切り
読み:ねぎり
「根切り」とは、建物の基礎や地下室などを造る場合に、地盤面下を掘削して、所要の空間を造ること。「根伐り(ねぎり)」と書くこともある。掘削の形から、「布掘り」「総掘り」「壺掘り」などに分けられる。布掘りとは、底部の一部を帯状、もしくは布状に根切ること。総掘りとは、構造物の底部全面を根切ることだ。周囲の地面の崩れを防ぐために周囲を崩れない程度の斜面にして根切る方法や、山留め壁という壁状の工作物を側面に造って根切る方法、また地表で構造物を造って、その底部を根切り沈設するケーソンという方法などが使用される。根切りをした際の底の水平面のことは「根切り底」と呼ぶ。雨の日を避けて根切りを行なうのが普通である。
根太
読み:ねた
「根太」とは、床の構造材のこと。床板の直下にある横材。床板を支える役目を持っており、受けた荷重を大引に伝えることになる。床板に水平力を負担させることによって、床剛性を保つことができれば根太は必要なくなる。こうした手法のことを根太レス工法と呼ぶ。この場合には、水平力に対して構造を支えなければならない。1階の場合には、力が大きくなるため、45cm×42cmといった部材を使うが、2階などは一回り小さくしていく。大引きに力を伝えていくため、直角方向に配置する。2階の場合には、梁に直接荷重を伝えることになるが、取り付け方法を間違えれば、それだけ根太が荷重を伝えられなくなり、床鳴りを引き起こす原因となってしまう。
ネット金額
読み:ねっときんがく
「ネット金額」とは、請負者側の見積り金額にさらに値引き等を含めた最終的な金額のこと。また、文脈によって現場経費まですべて含んだ工事金額をさしたり、値引きできる限界の価格のことをさすことも。工事金額の場合、事務所経費などは含まれていないことが多い。ネット価格、NET金額などと表記される場合もある。ネットと対の意味で使われるのがグロスという言葉で、グロス金額といった場合には、値引き前の見積り金額や、諸手数料等を含んだ価格という意味になる。ネット金額もグロス金額も、業者間のやり取りで主に使われる言葉であるため、一般の施主が目にする機会は少ない。解体作業時にはネット金額ではなく値引き前の金額が施主に提示される場合が多い。
熱貫流率
読み:ねつかんりゅうりつ
「熱貫流率」とは、K値とも呼ばれるもので、断熱性能を表す率のこと。物体は必ず熱を伝えるが、熱伝導率ではなく、壁や床などの物体がどれだけ断熱することができるかという性能を表している。熱量の伝達を表していることになるが、両側の温度差を基準としていく。1㎡あたりで考えられ、1時間に何キロカロリーの熱が伝わるかをK値で表す。つまり、この差が大きければ、それだけ断熱性が高いということになる。単位はW/㎡・KやKcal/㎡h℃といった単位が用いられる。熱貫流率を知ることによって、熱損失の割合も見ることができるため、部材ごとに比較することが可能に。窓ガラスや天井も対象とすることで、効率的な断熱構造を作り出す情報となる。
熱伝導率
読み:ねつでんどうりつ
「熱伝導率」とは、熱の伝わりやすさを表した値のこと。熱伝導率が大きいほど、熱が伝わりやすく断熱性能が悪いと言える。算出方法は、物質の両面に1度の温度差があるとき、1時間に1㎡当たりどれだけの熱量が伝わるかを測定する。単位はW/m・Kである。熱伝導率の逆数をとった値は熱抵抗と呼ぶ。熱伝導率は材料の種類と密度によって変化する。例えばアルミニウムなどの金属では、数百の値をとるのに対して、コンクリートやモルタルでは約1.5、グラスウールなどの断熱材では0.1以下の値をとる。熱伝導率を物質の厚さで割った値は熱伝導係数と呼ぶ。熱伝導率は、熱流入係数や熱損失係数などを計算する際に必要になる値だ。
の
軒下
読み:のきした
軒下とは、屋根の端っこが外壁よりも突き出ている部分の下の空間のことを指す。
簡単に言えば、雨宿りできる屋根の下のエリアのこと。建物にとって軒下は、雨や雪から建物を守ったり、日差しを遮り風通しをよくするなどの役割を果たしている。
は
配管
読み:はいかん
「配管」とは、気体や液体を輸送するために用いられる筒や管を敷設すること。住宅では給水、給湯、排水管やガス管を施工することである。これらの管及びそれらに接続する機械、装置を含めた物を配管設備と言う。敷設する管の材料を配管材料と言い、各種金属や無機材料、合成樹脂でできた管を使用。管の耐久性を高め、輸送物質に管の材料が溶け出すことを防ぐために、管内部に合成樹脂の塗装が施される。配管の接合方法にも様々な手法がある。フランジ接合、ねじ接合、溶接接合などだ。また、液体の膨張に備えた膨張継手や、耐震のためのメカニカル継手などもある。管を任意の方向につなぐため、各種異形管も作られている。流量計測のために各種計測機器も敷設されるのが一般的だ。
配管用炭素鋼鋼管(SGP)
読み:はいかんたんそこうかん
SGPとは、鉄の丸パイプの1種で、「配管用炭素鋼鋼管(Carbon steel pipes for ordinary piping)」と呼ばれる鋼管のことです。SGPの名前は「Steel Gas Pipe」の略称を表しています。SGPは、製管方法が電気抵抗溶接の場合「E」、鍛接の場合は「B」の記号が付きます。仕上げ方法によっても、熱間仕上げの場合は「H」、冷間仕上げの場合は「C」、電気抵抗溶接の場合は「G」の記号が付きます。(例:熱間仕上電気抵抗溶接鋼管の場合、SPG-E-Hの表記)配管用炭素鋼鋼管の主な用途は、JIS G 3452にて、「使用圧力の比較的低い蒸気、水(上水道用を除く)、油、ガス、空気などの配管に用いる」ものとして記載があります。SGPに適用される寸法は、外径10.5~508.0mmです。
排水
読み:はいすい
「排水」とは、建物や敷地の中で生じる汚水や雑排水(生活排水)、雨水などの総称。下水とも呼ばれる。また、これらの水を排除することも排水と言う。下水の排水には、勾配をつけた配管を用いて自然に流れを作るのが一般的だが、地下室などの低い位置から排水を行なうためには、ポンプなどの設備を設ける必要がある。汚水と生活排水は建物の内部では別系統になっており、公共下水に流される前に合流させる場合が多い。汚水を流す排水管は生活排水用の物よりも太い物が用いられる。敷地と道路の境界付近に最終枡が設置される場合が多い。公共の下水設備が整備されている地域では、敷地内に下水の浄化設備を設ける必要はなく、公共下水にそのまま流すことができる。
排水トラップ
読み:はいすいとらっぷ
「排水トラップ」とは、水まわりの臭気などの逆流を防ぐために排水設備に設けられる構造のこと。排水管の一部を曲げたり、ドラムを設置したりしてそこに水をため、排水管の先と流しの空間がつながらないように隔てている。これによって害虫や有毒ガスなどが室内に入り込むことを防ぐ。排水トラップの種類にはS型トラップ、P型トラップ、U型トラップ、ドラムトラップ、わんトラップなどがある。これらは排水の方向や排水口の種類によって使い分けられている。ただし、トラップの部分には排水とともに流れたごみなどがたまりやすく、それがかえって臭気やぬめりの原因になることも。トラップがあることによって誤って物を流してしまった際に回収できる場合もある。
排水桝
読み:はいすいます
「排水桝」とは、排水設備の維持管理のために設けられる桝のこと。排水桝には、雨水排水用に泥などが配管内に流れ込むのを防止するために底に泥溜まりを設けた雨水桝と、汚水排水用に汚物が滞留しないようにした汚水桝がある。排水桝はコンクリート製の物が主流であるが、狭い場所に設置するために塩化ビニル製の小口径の桝も普及している。排水桝が設けられるのは雨水排水管の接続箇所や、各排水管の合流箇所、排水管が曲がる場所や勾配が変わる場所などだ。排水会所とも呼ぶ。また、建物の敷地と道路等の境目付近に設けられる最終枡などもある。桝の蓋には密閉型と開放型があり、下水を流している桝の蓋は密閉されているのに対して、雨水を取り込む桝の蓋は格子状になっている。
HACCAP(ハサップ)
読み:はさっぷ
HACCP(ハサップ)とは、アメリカで始まった食品製造の安全性確保の管理手法です。
食品に関わる全ての事業者が、HACCPの対象となります。
H:Hazard(危害)、A:Analysis(分析)、C:Critical(重要)、C:Control(管理)、P:Point(点)の頭文字を取っています。
2018年6月に、HACCP義務化法が可決し、HACCPに沿った衛生管理の制度化は2020年6月に施行されました。
猶予期間が1年間ありますが、2021年6月には、旧食品衛生法が廃止され、HACCPの完全義務化となります。
巾木
読み:はばき
床面と接する壁の最下部に取り付けられる幅10cm程度の横木で、見切り材のひとつ。傷や汚れが付きやすい壁の下部を保護するためと、壁と床の仕上げ部分のおさまりを美しくするために設けられる。システムキッチンなどの最下部で、「足元」と呼ばれる部分に取り付けられるものも「幅木」と言い、台座の高さに合わせてキャビネット単位に装着されるものと、長尺型として複数のキャビネットにわたって取り付けられるものがある。
「台輪前板」と呼ばれることもある。
板金工事
読み:ばんきんこうじ
「板金工事」とは、金属加工を行ない建物に取り付ける工事のこと。トタン板を加工して取り付けることが一般的。他にもガルバリウムや亜鉛メッキ鋼板、ステンレスやアルミニウムといった物もある。内装に使う物が少ないため、屋根や外壁といった場所の工事を担当することが多い。もともと金属であったため、設置をしていた業種は板金工事と呼ばれることが多く、樋の設置も含めることがある。現在は樋に使われている素材はプラスチックがほとんどであるが、銅を使った物もまだ使われている。ダクトも金属を使うことになるが、ダクト工と呼ばれることが多く、板金職人はブリキ屋と呼ばれることも。国家資格として、板金工事の機能を認定している建築板金技能士がある。
パラペット
読み:ぱらぺっと
パラペットとは、建物の屋上やバルコニー、吹き抜け廊下等の外周部に設けられた、低い立ち上がり壁のことを言う。特に陸屋根と呼ばれる水平な屋根の周囲に多く見られ、屋根スラブと壁との接合部分の防水の補強効果が高い。落下防止としても効果が期待できる。また屋上や正面の上方にパラペットを設置している店舗も見られるが、この場合は、看板などを取り付ける目的を有することも。形状としては、アゴ付パラペットとアゴなしパラペットに分けられる。パラペットの上部に取り付ける部材は「笠木」と呼ぶ。用いられる材質にも、モルタルや金属、木等のデザインがある。取り付ける場所が歩行用か非歩行用か等の用途や目的により、形状や部材の材質、アゴ形状ならその出幅等が決定される。
パンチングメタル
読み:ぱんきんぐめたる
「パンチングメタル」とは、金属板に対してプレス加工を施し穴をあけた汎用製品のこと。穴の形状は様々であり、間隔もいろいろな物が作られている。自動車のマフラーカバーや、エアフィルターやスピーカーといった物にまで用途は様々。住宅のバルコニーとなどいった場所にも使われているが、穴をあけることで軽量化することができるだけではなく、視界をある程度遮ることができる。パンチングメタルを用いることによって、風通しも一定量確保することができるということも大きい。音に関しても、すべてを防ぐわけではなく、一定の量を遮ることができる。これもプレス加工時の大きさなどによってコントロールすることが可能となる。
ひ
庇
読み:ひさし
「庇」とは、小さな屋根上の物のこと。出入り口や窓の上部に設けることで、日差しや雨から守ることができるようになる。出の小さな物は小庇と呼ばれることも。片流れになっていることが特徴で、帽子の庇と同様に考えることができる。小庇を含め様々な物が作られてきたが、柱で支えていく物は土庇と呼ばれる。他にも柱から腕木を使って持ち出していく方法は腕木庇と呼ぶ。外観上平面に対するアクセントにすることができる一方で、やぼったくなるということで取り付けない例も存在する。しかし、窓の上にあるだけでも、雨の日に開閉できることを考えれば、意匠的な側面だけで考えることのできない機能としても重要な部材であると言える。
表面処理
読み:ひょうめんしょり
「表面処理」とは、金属や樹脂、セラミックなどの表面に何らかの方法により改質を行ない、美観を与えたり、特性・機能性を付加したりすることを言う。主な表面処理として「金属皮膜処理」「非金属皮膜処理」「化成処理」「鋼の表面硬化処理」がある。そのうちの金属皮膜処理は一般的に「めっき」と呼ぶ。めっきには金属などの導電性の材料を亜鉛やクロムなどの溶液に浸し、電極をつないで電解処理することにより施される。めっきには、他に「亜鉛めっき」「合金めっき」があり、この亜鉛めっきや亜鉛合金めっきの表面を保護するため、「クロメート」と呼ばれる化成処理を行なう。ただし、現在は人体や環境への配慮から他の素材への転換が進んでいる。
Pタイル
読み:ぴーたいる
「Pタイル」とは、建物の床材に使用されるプラスチック系のタイルのこと。代表的な「Pタイル」は、30cm×30cm角に加工した物。原料に塩化ビニル樹脂や炭酸カルシウムなどが使われている。コンポジションビニル床材と称されることも多い。「Pタイル」には、傷や汚れに強いこと、耐薬品性があること、耐水性が高いこと、難燃焼性に優れていることなど、多くの特徴がある。このような特徴が評価され、学校、企業、商業施設など多くの場所で使用されている。「Pタイル」には、アスファルト系タイルやゴム系タイルなど、素材の種類が多い。建築の用途、予算などに応じて多くの選択肢の中から選べるのも「Pタイル」が選ばれる理由である。
ふ
ファサード
読み:ふぁさーど
ファサードとは、建物を正面から見たときの外観のこと。由来はフランス語であり、英語のfaceと同根である。マンションの場合は物件のステータスの象徴であり、建物の顔、メインとも言える部分。高さ、構造などにより、特徴的なデザインが駆使され、気品、斬新性、重厚感、落ち着きといったそれぞれの建物の個性を追求されており、また、街並みとの調和、植栽などとのコーディネイトも考慮される。タワーマンションや大型マンションの場合、町の景観に大きな影響を与えるため、ファサードのデザインは非常に重要な要素と言える。
負圧
読み:ふあつ
「負圧」とは、建物の屋内と屋外の気圧を比較したときに、内部の気圧が低くなっている状態のこと。空気は気圧の高いところから低い所に流れていく。同じ気圧になろうとする原則を持っているためで、排気を続けてしまうと圧力差を生じることになるのが負圧の原因となる。逆に給気を続けて押し込めていくと圧力が高い正圧が起きる。どちらの状態になっても、空気の流れを生むことになるが、負圧になると空気が入ってくるため隙間風を引き起こす。他にも扉が急に閉まってしまうといったことも起こしてしまうことになる。トイレの換気が引き起こすことが多く、扉が急に閉まったりすることがあるが、負圧によって隙間風が入ってくることで臭いが廊下などに出ていかない。
封水
読み:ふうすい
封水とは、トイレや洗面台、流しなどの器具と排水管の接合部に溜めておく水のことを指す。 水で蓋をすることで、排水管からの臭いや害虫を防ぐ役割を担う。 この仕組みを封水トラップといい、トラップの封水深は50~100mmの範囲とし、排水口から封水あふれ縁下面までの垂直距離が600mmを超えないようにする。
フラットバー
読み:ふらっとばー
「フラットバー」とは、肉厚の薄い帯状の鋼材のこと。一般的には平鋼と呼ばれることが多い。鉄板として販売する他に、加工して軽量形鋼や鋼管などに使われる。フラットバーには、丸コバ平鋼や開先平鋼などいくつかの種類があり、それぞれ形や使用する用途が違う。丸コバ平鋼は平鋼の側面部が丸い物で、主に自動車やトラックの板バネに使われる。開先平鋼は、開先加工をすでに施してある平鋼のことで、主に建設用や産業機械、建設に使用される。フラットバーは、圧延のまま使えるためコストの削減が可能で、切断による反り、曲がり、材質の変化もない。また、標準断面寸法だけでも多くのサイズが製造されているので、用途に応じて選ぶことができる。
フロアライン
読み:ふろあらいん
「フロアライン/FL」とは、床面の位置や高さのことのこと。基準となる床面の意味でもある。基準床面とは、仕上がり時の床面の上面の高さである。 図面では「FL」(頭文字)と記入。矩計図などに記されることが多い。普通、床仕上げの上端面のレベルを表す。また、断面図といった躯体(くたい)関係の図面においては、構造上の床スラブの上面を表すことも。FLの前に数字が記載されている場合は階数を表す。例えば、2FLは2階のフロアラインのことだ。FLは各階にあるため、図面に何度も出てくる。仕上げ面のため、精度は高くなければならない。造作工事のときに固定の戸棚などを設置する場合、フロアラインを基準とした高さが記される。
VU管
読み:ぶいゆーかん
「VU管」とは、塩化ビニル製の排水用の管をさす。用途としては、大きな外圧や水圧のかからないところに限定される。内面は平滑なため摩擦抵抗が少なく、スケールの付着もないため、多くの流量をいつまでも効率よく確保できる。また、弾性に富み機械的な強度に優れているため地盤変位にも耐えることができ、半永久的に腐食現象も起こらない。軽量で取り扱いやすく、材料費や維持管理費などトータルで判断すると、もっとも安価な配管材と言える。多くのメリットのあるVU管は、VU管より強度が強く、肉厚が厚いVP管とも継ぎ手の共有が可能で、付属品のバリエーションも豊富。排水管の在来工法の主戦力とも言え、外構埋設を行なう場合使用することが多い。
歩掛かり
読み:ぶがかり
「歩掛かり」とは、作業を行なっていく場合にかかる単位数量や手間、作業日数のこと。建築工事の見積もりを行なうときに必要となってくる概算値。各工事における1単位あたりに必要な概算値を示している。数値化することによって、見積もりを正確なものにしていく。型枠工事を行なう場合、1日でできる作業面積は歩掛りということになる。これに人工をかければ、単価を出すことができる。正確には、諸経費を追加していかなければ、工事費用の根拠とはならない。工事費用の根拠を引き出していくことができるため、必要となる人工の計算もすることができる。国土交通省が、毎年制定している基準があり、これが日本の建築業の積算基準となっていく。
プラスターボード
読み:ぷらすたーぼーど
「プラスターボード」とは、石膏ボードとも呼ばれており、板状に固めた石膏を芯材として、その両面と側面をボード用紙で被覆したボードのこと。準不燃の物と不燃の物があり、準不燃では9.5mm、不燃では12.5mmの厚さがある。耐火、防火、遮音、断熱性能があり、下地としてそのまま室内の壁や天井に貼り、ペンキをぬって仕上げる。プラスターの種類は2種類。石膏を主成分とした石膏プラスターと、白雲石を高温焼成したドロマイトプラスターだ。また、水まわりで使用するときには、耐水プラスターボード、準耐火建築物には強化プラスターボードが使われる。プラスターボードは安価なこともあり、様々な箇所でよく使われている。
プレキャストコンクリート
読み:ぷれきゃすとこんくりーと
「プレキャストコンクリート」とは、コンクリート製品を製造するために整備された工場内で作られた製品や工法のこと。現場内に作られた仮設工場で生産される物もある。セメントの練り混ぜから打設、養生といったことまで一貫して行なうことで、製品としての性能を高めることができる。完成品にしてから運び出していくことで、現場内での打設という工程を省くことができ、品質も向上させて均一化できるメリットを持つ。実際にコンクリートの打設には、前後工程がからむ問題があり、養生の期間も取らなければならないが、プレキャストコンクリートであれば、こうした時間が必要なくなる。デメリットとして、部材として一体化を図らなければならず、重量が大きくなると設置にクレーンなどが必要だ。
へ
ヘアーライン
読み:へあーらいん
「ヘアーライン」とは、金属の表面加工のこと。艶消し仕上げにするために行なわれる方法。スチールウールといった物を研磨材とし、一定方向に連続的に跡を付けていく。磨かれた表面と違い、光を乱反射させることができるようになるため、つやのない仕上がり面となる。非常に細い線を付けていくことになるため、1本1本が髪の毛のような状態に見えることから、ヘアーラインと呼ぶ。ステンレス製品に多く見られ、HLと表記されて区別される。建材として考えた場合にも、もっとも一般的な仕上げ方法で、多くの物に利用されてきた。無方向で仕上げされていく方法として、バイブレーションが存在するが、多軸水平研磨によって行なわれている。
平面図
読み:へいめんず
「平面図」とは、物体を真上から見た図のこと、または建築においては各階の床面から1m程度の高さの水平断面を図面化したもの。間取図のことである。「プラン」とも呼ぶ。建物の間取りや内部構造を知るための図面だ。対象物の上面方向からの、投影図、間取り、床高、面積、壁の構造や開口部の開き勝手、建具、作りつけ家具、機器の配置などの平面寸法などを表示していて、細かな寸法が描き込まれている。平面図は設計図書の中でもっとも基本となる図面であり、他の図面の見出しや索引として使われることも多い。建物や土木構造物をある高さで水平に切ったとした切断面を真上から見下ろし、適当な縮尺で描いた図形と言える。
ベントキャップ
読み:べんときゃっぷ
「ベントキャップ」とは、外壁に設ける吸気、排気設備の開口部に設けられる部材のこと。羽板を付けた構造になっていて、雨や雪、虫などの侵入を防ぐために設置。アルミやステンレス、樹脂製など様々な素材の物がある。開口がむき出しになっている物もあれば、部分的に覆いがついている物、下向きになるように開口部がついているU型の物など、設置される環境等に合わせてデザインが選ばれている。羽板だけでなく防虫網を併せて取り付ける場合も多いが、定期的に点検しないと防虫網が目詰まりしてしまう。防火地域の建築の場合には、FD付きのベントキャップを使用する必要がある。断面が四角形のダクトにはフードを取り付ける場合が多い。
ペデストリアンデッキ
読み:ぺでぃすとりあんでっき
「ペデストリアンデッキ」とは、大型の公共歩廊のこと。歩行者専用の上空通路で、歩行者と自動車を立体的に分離し、安全性を保って快適に歩けることを目的として設置されている。建物と接続するように設計されているのが特徴。その実用的機能から多くの場所で取り入れられており、駅ビルや商業施設に直結しているものや、高層オフィスビルなどを結ぶ歩廊として設置されているものも多く見られる。その他、市街地の再開発事業や街の開発などで取り入れられるケースも多い。また、ペデストリアンデッキは大型規模のものが大半であり、横断歩道としての機能だけではなく、通路幅が広いものは広場やコミュニティスペースとしての機能や役割も併せ持っている。
ほ
方立
読み:ほうだて
「方立」とは、横に連続して設置された窓の間に設けられた垂直な桟のこと。また、戸の中に建てられた補助の枠のことも方立と言う。木製の引き戸においては、片袖では一本、両袖では二本の方立が必要である。またカーテンウォールでは縦桟のことをさす。方立は構造部材として機能し、窓や戸にかかる風による荷重を建築構造に伝える働きをする。方立は垂直方向の枠のことだが、水平方向に入れられる桟のことは無目と言う。方立や無目の素材には、木材やアルミニウムが用いられる場合が多い他、歴史的建築物などでは石材が用いられる場合もあった。教会建築や宮殿などの大きな窓にみられるように、非常に大きなガラスを設置する際には、石材の方立や無目などが用いられた。
ボイド管
読み:ぼいどかん
「ボイド管」とは、厚めの紙や特殊耐水ボードでできた筒のこと。基礎などのコンクリートを打設する際にボイド管を入れることにより、設備などの配管のための円形空洞を作る。また、丸柱を作る際の型枠にも用いることができる。この他にも、配管渠やダストシュート、アンカーボックス、インテリアなど様々な箇所に利用することが可能だ。紙製の物は加工が簡単なうえ、スパイラル状に巻き上げて作っているため、高い強度を持つ。そのため、コンクリートから受ける圧力にも耐えることができる。紙製のボイド管では、コンクリートへの文字移りが少ないこと、紙が付着しないこと、耐水性の高い物が広く利用されている。
防火区画
読み:ぼうかくかく
「防火区画」とは、建築物の火災の拡大を防止する上で有効な区画のこと、またはその区画を形成する構成材のこと。耐火建築物、準耐火建築物は、準耐火構造の床、壁、特定防火設備で区画しなければならない。ファイアダンパと呼ばれる火炎防止装置が空調用のダクトに備えられる例がある。建築基準法施行令第112条に規定されており、第1項から第16項までの項目ごとの目的に応じて、大きく「面積区画」「水平区画」「竪穴区画」「異種用途区画」の4種類に分類される。さらに面積区画は高層面積区画を含む。それぞれの区画について、それが必要となる建築物、また区画の内容が異なる。なお、似た概念として防火壁があるが、防火壁と防火区画は要求される性能が異なっている。
防火構造
読み:ぼうかこうぞう
防火構造とは、建物の周りで火災が発生した際に、延焼しないように一定の防火性能を施した構造の建物でのことで、国土交通大臣が定めた物、あるいは認可を受けた物のこと。建築基準法2条8号に規定されている。具体的には、建物の外壁や軒裏に防火機能のある塗料や石膏ボードを使い、火災におかされても30分以上耐えられるようにすることを言う。ちなみに防火構造と良く似た言葉に耐火構造、準耐火構造が存在する。これらは、建物の内側で発生した火災が、外側に燃え広がらないように防火対策を施すことである。防火構造は、外からの炎に耐えられることに重点を置いた構造なので、建物内で発生した火災は考慮されていない。
防火設備
読み:ぼうかせつび
「防火設備」とは、火災が発生した際に炎が回るのを防ぐための設備。防火戸やドレンチャー設備などが挙げられる。建築基準法では、火災時に炎や熱がかかったときに20分間は、火災を広げない遮炎性を持っていることが定められている。ただし、防火区画の場合にはこの遮炎性は1時間持続できなければならない。また、防火区画に開口部を設ける場合には特定防火設備の使用が義務付けられている。特定防火設備とは、防火シャッターや鉄製防火ドアの他、耐熱板ガラスを用いた透明な防火戸など。換気や空調設備の風道が準耐火構造の防火区画を貫通して設置されている場合には、その部分または近接する部分に特定防火設備を設ける必要がある。この際には、温度の高い空気が急上昇した際に自動的に閉鎖する物であることが求められている。
防火地域
読み:ぼうかちいき
「防火地域」とは、市街地において火災が発生した場合、この火災の延焼を防止することを目的として設けられた地区のこと。都市計画法の第9条20項で「市街地における火災の危険を防除するため定める地域」 として、具体的な規制が定められている。建築物が「防火地域」と準防火地域の両方の地域にまたがって建てられている場合には、規制レベルの高い地域での規制条件を適用。例えば、「防火地域」と準防火地域の場合には「防火地域」に、準防火地域と未指定区域の場合には準防火地域の規制が適用される。「防火地域」では規制が多く、自由な建築設計が制限される印象があるが、実際には防火地域内の耐火建築物では建ぺい率の制限が緩和されているなど、より自由度の高い建築が可能となる場合もある。
防水層
読み:ぼうすいそう
「防水層」とは防水の役割を有する層のことを言い、無機質または有機質の材料で不透水の層を形成する。防水材料により、アスファルト防水層、シート防水層、塗膜防水層、その他(モルタル防水など)に分類。マンションでは、合成繊維にアスファルトを含ませたシートを、何枚か重ねて防水層を形成する方法が、一般的に採用されている。また、地下室などでも、地下からの水の侵入を防ぐため、防水層を設けることも。防水層の耐用年数は、仕様や工法、断熱材の有無、保護材の有無、屋上の使用頻度等の要因により大きく異なる。鉄筋コンクリート造の建物だと、平均60?65年程度と言われており、建物のライフサイクルの中で2?4回の防水改修が必要となる。
防水モルタル
読み:ぼうすいもるたる
「防水モルタル」とは、防水剤を混入したモルタルで高い防水効果を発揮させる物。マンションなどの集合住宅においては、バルコニーや解放廊下、階段など居室がない床面下にコンクリートを打ち込み、防水モルタルで仕上げるのが一般的な施工方法だった。これはコンクリートの床面の精度が低いので補修を加えるためと、雨がかかるためモルタルに樹脂を混ぜてひび割れを軽減するのを目的としている。ただし、2000年に施工された品確法により、住宅供給者は「構造耐力上主要な部分」と「雨水の浸入を防止する部分」の瑕疵に関して、10年間を義務付けられた。これ以降、新築物件でも防水モルタルに代わり、バルコニーや開放廊下に防水を施工することが定着してきている。
ボンデ鋼板
読み:ぼんでこうはん
「ボンデ鋼板」とは、亜鉛メッキを施した鋼板のこと。薄い鋼板に対してリン酸と酸化マンガンを用いて金属皮膜を形成。化学的な防食処理を施した鋼板としてできあがる。塗装ののりが良くなるように作られているものの、メッキの膜厚が薄く仕上がるために、耐候性といった面では劣ってしまう。そのかわりに、メッキ膜は薄く均一に仕上げることができる。こうした特性からもボンデ鋼板を使う場所は、建築金物や家具、照明器具といった屋内で使用される部品が中心となってくるが、塗装を施さずに電気機器の内部に使われていることも多い。ボンで鋼板は旧新日本製鉄である新日鉄住金株式会社の商品名であり、電気亜鉛メッキ鋼板という名称が正式なものとなる。
ポリカーボネート樹脂
読み:ぽりかーぼねーとじゅし
「ポリカーボネート樹脂」とは、炭酸と二価アルコールまたは二価フェノールを重合して得られる高分子のこと。エステル型の熱可塑性プラスチックだ。透明度が高く光学機器にも用いることができる。また、成形収縮が小さくて吸水性も小さいため、寸法安定性が高い。さらに、耐衝撃性、耐熱性、低温特性、耐候性が高いという特徴がある。このため、浴室のドアやトップライト、エクステリアの屋根材など水に濡れる可能性のある場所でも利用でき、防犯の観点からガラスの代わりに使用されることも多い。しかし、耐疲労性が弱く脆弱破壊が起こる他、アルカリや有機溶媒に弱く、高温高湿度下で加水分解したり、応力亀裂を起こしたりしやすいといった欠点もある。
ポリプロピレン樹脂
読み:ぽりぷろぴれんじゅし
「ポリプロピレン樹脂」とは、四大プラスチックのひとつで、プロピレンを重合させた熱可塑性樹脂でもっとも軽い性質を持つもののこと。生産量はポリエチレンについで多い。高分子化合物としてプロピレンの付加重合によって得られる。様々なところで活用が広がっているが、建築では発泡系断熱材や木造住宅用の耐震補強部材として使われることが多い。これは、単純に強度が高く、吸湿性がまったくないという性質が有効に働くことが大きい。耐薬品性も持っており、汎用的な樹脂の中でも耐熱性が群を抜いて高い特徴もある。耐疲労性も持っているため、フィルムや容器といった物にも使われている。ポリプロピレン樹脂ということで、PPと略されることが一般的だ。
ま
曲げモーメント
読み:まげもーめんと
「曲げモーメント」とは、部材をわん曲させるように働く一対のモーメントのこと。またはある点について、それを境として互いに材を曲げ合う一対の回転力のことを表す。構造的に掘り下げるのならば、モーメントは引張力と圧縮力の組み合わせ荷重とも言える。曲げモーメントの大きさは、腕の長さと力の大きさを乗じたもの。曲げ応力が働いた場合、構造体が回転せず抵抗する力の大きさを曲げモーメントの大きさとして示している。この曲げモーメント」は部材に「回転」という変形をもたらす。構造力学では、360 度を 2π としたラジアン( rad )という無次元量が使用されるが、そのような値が構造計算で直接使われることはほとんどない。
間仕切り
読み:まじきり
間仕切りとは、部屋をいくつかの空間に分けるために使う仕切りのことである。固定式と移動式とに分けられ、間仕切り壁などの固定式は、遮音性が高くプライベート重視の空間作りに向く。折戸や引き戸などの移動式は、手軽に移動させることができるため、部屋を様々なシーンに合わせて使い分けたい場合に向く。特に移動式の場合には、一般的な壁と比較して、レイアウトの変更が容易にできること、再利用可能なこと、工期が早いことなどの特徴が挙げられる。表面の素材にはアルミやスチール、ガラスなどデザイン性や機能性を考慮して選ぶこともできる。戸やふすまなどの建具を使用する以外にも、食器棚やタンス、カーテンなどを利用する場合もある。
回り縁
読み:まわりふち
「回り縁」とは、壁と天井が接する部分に取り付けられる縁木のこと。天井縁、天井回り縁とも言う。天井と壁とでは仕上げ材が違うために、両者の取り合いを調整する必要があるため、回り縁が使われる。和室の場合、天井は板状の材料を使い、壁は左官による塗り壁かクロス貼りになることが多い。柱を小さく掘り込んで、廻り縁を取り付けて天井板を張り、その後で壁を仕上げるといった工程を踏む。洋室の大壁、洗面、脱衣、トイレ、廊下などは、納まり上の問題と、デザイン性の問題で設けない場合(突付け)もある。また、廻縁を設けず突付け仕上げとする以外に、底目地(天井底目もしくは壁底目)を設ける、もしくは塩ビ製の見切材を設けて納めるなどの方法が用いられる。
マンホール
読み:まんほーる
「マンホール」とは、下水道や暗渠といった施設から、人間が出入りするように設けた蓋をした穴のこと。一般的に垂直なトンネルがついている下水道のような物を指しているが、航空機の翼に取り付けられている燃料点検用の空洞もマンホールと呼ぶことがある。下水などの他にも、地下に埋設された電気や通信ケーブルの点検口としても使用。人が入ることができない点検口の場合には、ハンドホールと呼ばれており、鋼鉄やコンクリートで作られた蓋がしてある。マンホールには鋼鉄製の蓋がついていることが一般的。様々な物が作られ、都道府県ごとに違う物などもある。実際には、この蓋がなくてもマンホールであり、内部にはタラップが付けられていることが多い。
み
水切り
読み:みずきり
「水切り」とは、雨水が下端に回らないようにするための物のこと。壁の中に回ったりすることのないように、下に落ちるように施工する。金物を使うことが多く、板金工事のひとつとなっていく。水上に使うような笠木は、水切りにはならない。取り付ける場所によっても変わってくるため、水切りに使われる金物は、断面形状が異なる。ただし、あまりに小さい物になってしまうと効果を発揮することができないため、立ち上がりの長さが10cm以上は必要だ。水切りをも蹴るということは、単に水の流れを作ることだけではなく、壁面の汚れを防止することとともに、室内への水の浸入ということも防止する。木造の場合には、土台に侵入しないためにも設けられる。
水勾配
読み:みずこうばい
「水勾配」とは、水を流し去る目的で、水平よりわずかに傾斜させた勾配のこと。普通、床は水平になっている必要があるが、雨水のかかるベランダなどの床や、水洗いを必要とする床面には傾斜させた「水勾配」が施される。コンクリートの地面やテラスなどの排水管は、必ず「水勾配」が必要になる。水勾配がなければ水たまりが発生しやすくなり、カビやコケが発生する原因に。勾配は、「2%(2/100)から、3%前後(3/100)」(1mで2?3cm下がる)とするのが一般的。ただし、駐車場など広い面積では、水たまりができてしまう恐れがあるので、中央もしくは両端に溝を付けて、溝に向けて水勾配をとるほうが良い。溝にはグレーチングなどで蓋をする。
溝形鋼
読み:みぞがたこう
「溝形鋼」とは、鉄骨構造として利用されている鋼材の中でも、断面がカタカナのコの字に見える鋼材のことで、Cちゃんとも呼ばれている。曲げに対する断面係数が大きくなるという特徴を持っていることから、梁のような構造部材として利用。フランジにはテーパーが付けられているというのが、構造的には一般的なみぞ形鋼となる。背中合わせにすることで、柱としても使うことができるが、この場合にはテーパーの突いていない物が用いられている。建築の他、船舶や機械などでも使われることがあるほど利用価値は高い。溝形鋼の問題としては、形状的な問題として荷重がかかる部分を計算しておかなければ、偏芯してしまう可能性が出てくる。
め
メッキ
読み:めっき
「メッキ」とは、金属やプラスチックのベースに対して、他の金属の被膜を表面に施す処理のこと。また表面処理の方法のこともさす。酸化しやすい鉄などの場合、表面を処理しておかなければ、自身が錆びていってしまう。そこで、酸化しにくい金属で被膜を作っていくことで、保護することを目的に施すのがメッキだ。他にも、メッキを施すことによって、高級感を醸し出し、質感も高めることができる。プラスチックに施した場合にも、金属のように質感を変えて見せることが可能である。トタン製品やブリキといった物は、メッキを施した物として活用されてきてきた。トタンは鉄に亜鉛をメッキした物で、ブリキはスズをメッキした物。これによって、耐久性を高めることができるため、建材として使われてきた。
面格子
読み:めんこうし
「面格子」とは、住宅の窓の外側に、防犯などを目的として取り付けられている金属製などの格子のこと。格子の組み方によって、「縦格子」、「クロス格子」、「横格子」などの種類があるが、防犯性による種類というよりも、単にデザインの種類という意味合いが強い。なお、「たてすべり出し窓」、「横すべり出し窓」などのように、窓の外側に「面格子」が取り付けられない場合は、サッシに取り付ける「飾り格子」という物もある。「面格子」が取り付けられていない防犯ガラス窓の場合、空き巣犯は一度はそのガラスをたたき割ることを試みるため、ガラスにひびが入ることは避けられないが、面格子があればガラスをたたき割られることもなく、犯罪の抑止力にもつなげることができる。
免震構造
読み:めんしんこうぞう
「免震構造」とは、建築構造の概念のひとつで、地震の揺れによる建物の破損、破壊を防止する構造のこと。似た意味を持つ言葉に制震、耐震がある。これらの言葉は建物を地震の被害を軽減する、建物の破壊を防止するなどの目的において、大きな違いがないため、しばしば混同して使用される。しかし、その仕組みや基本となる考え方は異なり、例えば、免震は地震による被害の防止を意味するが、制震は地震の揺れを建物の内部で吸収し、建物全体の破損リスクを軽減するという考え方。近年、新築される大型建築物では、免震・制振・耐震の3つの技術を取り入れることが主流。大型建築物には、マンションなどの居住用だけでなく、商業施設や工場も含まれる。
免震構法
読み:めんしんこうほう
「免震構法」とは、地震による揺れや破壊を防ぐため、地震力が直接伝わらないように地震エネルギーを吸収する装置を設けた構法のこと。基礎と上部構造の間に、積層ゴムやダンパーなどを入れる構法などがある。地震と構造体を絶縁することで、激しい地震の揺れを、ゴムの弾力で緩やかな揺れに低減。「レトロフィット」とも呼ばれ老朽化した文化財にも用いられている。免震は、地盤と切り離して建物に地震の揺れを直接伝えない構造だ。似た言葉として「制震」があるが、ダンパーなどの制震部材を組み込んで地震の揺れを吸収する構造のことを言う。「耐震」は、建築物が倒壊せずに住人が避難できることを前提とした、揺れに耐える構造となっている。
メーターボックス
読み:めーたーぼっくす
「メーターボックス」とは、ガスや電気、水道といった使用量を表す計器を収納した場所のこと。外部の人間が検針することを前提にして収納されている。検針しやすいように、玄関脇といった場所に設置されていることが多く、一目で分かるようになっていることが多い。マンションなどでは、メーターボックスは共用部分に設置することが多く、間取図でMBと表示して記載する。集合住宅の場合には、パイプ類が縦に通っているため、メーターボックスが設置されていることが多い。検針することになるため、こうした場所を物置代わりにしたりすることがないように設計する必要もある。メーターが料金にかかわってくるため、鍵を渡してしまうのは、防犯上の危険も伴う。
も
モザイクタイル
読み:もざいくたいる
「モザイクタイル」とは、表面積が30cm?50cm角以下で作られた小型の陶磁器質タイルのこと。柄を入れていない無地物が一般的。小さなタイルであり、内外装ともに用いられる。ユニット単位で販売されているのが特徴。タイルを張りつけたあとに紙をはがすと間隔を保つことができる。このあとに目地材を詰めることによって仕上がるため、ほぼ狂いなしに施工することができるようになっている。レトロな仕上がりになっていくのは、日本でも戦前に流行して三角形や六角形などの複雑な模様の物も作られ、色彩も豊かな物が多かった。こうした小さなモザイクタイルの需要は下がってきており、もっと大判な物が使われることが一般的となっている。
モルタル
読み:もるたる
モルタルとは、セメントと砂(細骨材)を水と混ぜて練り合わせたもので、セメントモルタルともいいます。配合はセメント1に対して、砂を2~3、水を0.5の割合にするのが一般的です。セメントは水と混ぜることでペースト状になり、時間の経過とともに固まる特徴を持っています。
モーメント
読み:もーめんと
「モーメント」とは、支点にかかる力で物体を回転させる作用のこと。構造設計上必要だ。モーメントは支点からの距離とかかる力で作られており、この二つを掛けたもので表すことができる。支点が固定されている場合、力を与えると、部材を曲げようとしていくことになり、曲げモーメントとしてかかってくるようになる。この場合は、回転運動となることが重要だ。回転力やトルクといった呼び名もすることがあるが、これらはすべてモーメントのことを指す。モーメントは距離に比例する力であり、回転したときに軸となる部材にかかる力ととらえることが正しい。作用する力の方向にも左右されるため垂直になると最大となっていく。
や
焼付け塗装
読み:やきつけとそう
「焼付け塗装」とは、熱を加えることで乾燥させる塗装方法のこと。150度程度の加熱処理をすることによって定着させる。塗膜の重合反応を利用した方法で、緻密な塗膜層を作り上げることが可能。常温よりも光沢感が強く、塗装面も滑らかに仕上がる。密着度が高く、下地からはがれにくい。塗料ごとに温度や時間が異なり、どちらが不足しても仕上がりに問題が出てくるようになる。逆に長くなりすぎたり、温度が高くなってしまうと、つやがなくなったりするという問題も抱える。建築では部材の大きさが問題となってくることから、細かな部材ごとで行なわれることはあるが、全体的に処理することが難しいこともあって焼き付け塗装するような物は少ない。
役物
読み:やくもの
「役物」とは、規格品の中で、定尺品など基本形以外の形をした部材。特殊な形状の物であり、端部やコーナーなど定尺品のような物では納めることができない場合に用いられる。タイルなどではL字型の物があり、コーナーに使われている。コンクリートブロックでは、隅に置かれるような物のことを役物ということが多い。タイルといった部材だけではなく、型枠などで定尺の物では収まらないようなときには、役物を作り対応する必要がある。役物は、特殊な場面や納まりのために使われる物であり、全体から見ると数はそこまで必要になってはこない。その代りに、使用する場面ごとに必要な物が変わってくるため、適材適所で選択していく必要がある。
ヤング係数
読み:やんぐけいすう
「ヤング係数」とは、材料の変形しにくさを表している係数のこと。大きくなればなるほど、材は変形しにくいことを示す。弾性率ということを意味しており、どれだけひずみに対して応力が必要なのかということを定めることができる。使う材によって単位が異なり、ヤング係数にも違いがある。弾性の限度内ということで考えると、応力に対してひずみというものは、一定の比率を持っているということが重要だ。同軸方向のひずみと応力は比例定数であるということに。ヤング係数の名称は、イギリスの物理学者であったトマス・ヤングに由来する。トマス・ヤングは弾性体力学だけではなく、エネルギーという用語を始めて用い、概念として導入したことでも知られている。
ゆ
U字溝
読み:ゆうじこう
「U字溝」とは、排水目的で地表に埋めて使用される、断面がU字形をしたセメントで作った成型品のこと。形状はJIS規格により定められており、主に連結して道路や土地の用排水路などに用いられる。様々な大きさがあり、用途や水量に応じて対応できるのが特徴的。ポリエチレン製、鉄製(亜鉛メッキ製)も存在し、これらは主に地盤軟弱地や盛土上に使用される。また、状況により、コンクリート製やアルミニウム製(グレーチング)、木製の蓋などが掛けられる。U字溝を用いることで、側溝及び周辺の管理が低減され、現場打ちコンクリート側溝と比べて大規模なコストダウンを図ることが可能に。また、計画的な勾配が確保できることからよどみが抑えられ、衛生面の向上にもつながる。
床荷重
読み:ゆかかじゅう
「床荷重」とは、床のもつ積載荷重のこと。他にも床の自重のこともさす。1㎡あたりで考えられるもので、どの程度耐えられるのかを考えていくときに使われていく。新築オフィスなどでは、いったいどの程度の設備に耐えられるのかを知ることができるようになっていく。一般的なビルの場合には、300kg/㎡?500kg/㎡となっていることが多いが、特にサーバールームなどは、非常に重さが床にかかることになるため、荷重に耐えきれなくなってしまう。そこで、一部のエリアだけ700kg/㎡?1000kg/㎡といった設備に耐えられるようにしていることも増えた。こうした一部の床荷重に耐えられる部屋のことをヘビーデューティーゾーンと呼ぶ。
床下換気口
読み:ゆかしたかんきぐち
「床下換気口」とは、木造住宅において基礎の部分に設けられる小さな換気口のことをいう。床下に湿気がこもることにより木材が腐って建物の耐久性が落ちることを防ぐために作られる。建築基準法では、換気口を5mごとに設置することが義務付けられているが、「床下換気口」の代わりに、基礎と土台の間にゴムを挟むことで隙間をあけて換気する基礎パッキング工法を採用することが増えている。地面と同じ高さや地面より低い「床下換気口」は虫や雨が侵入するおそれがあり老朽化が進んでしまうため、「床下換気口」は床下のある程度の高さがある箇所に設置しなければならない。また設置後も、エアコンの室外機や植木鉢等で換気を遮らないよう注意する必要がある。
床下点検口
読み:ゆかしたてんけんこう
「床下点検口」とは、床下の点検のために設けられている入り口のこと。通常床下は点検することができない。これは、基礎の点検口を設けてしまうと、それだけで脆弱な部分を作ってしまうという問題が出てくるためである。しかし、配管設備などがあることから、床下が点検できる方が望ましい。そこで、床下点検口を設けることによって、基礎に欠損を作ったりすることもなく、点検もできるようになっている。床下収納庫を設ける際に、兼用として作られることも多くなった。配管には経年劣化の問題があり、点検を繰り返していかなければならない。床下点検口を設けるということは、建物の寿命を考えたときにもあとから施工しにくいため、重要な設計思想となる。
よ
溶融亜鉛メッキ鋼板
読み:ようゆうあえんめっきこうはん
「溶融亜鉛メッキ鋼板」とは、鋼板の表面に亜鉛メッキを施した物のこと。金属皮膜鋼板のひとつで、亜鉛鉄板やトタン板をさす。鋼材に対する錆止め処理のひとつであり、現場ではドブ漬けや天婦羅といった表現をすることがある。これは、処理をする際に鋼熱で溶かしたメッキ層に漬けることから呼ばれている。メッキ自体が大きな防錆効果を上げることから、様々な利用方法が考えられていった。色付けすることもでき、焼き付け塗装をしてから―鉄板と呼ばれている物も、溶融亜鉛メッキ鋼板のひとつとなっている。色付けなどはせず、素地のままで使われることも多い。この場合には、亜鉛の色である銀色となる。あまりに薄い鋼板を使うとゆがみが出てしまう。
呼び径
読み:よびけい
「呼び径」とは、直径が一定ではないものに対する平均的な値のこと。鉄筋の場合には異形筋となってくるため、呼び径として統一している。D10やD13といった表記は、呼び径であって実際の直径ではない。配管などでは、内径に近似した寸法で使われる。給排水や衛生設備でほぼ直径として使われているが、インチ表示の名残が残っている。そのため、φ(パイ)で表記された場合には、内径のことを指し、外径は一切関係がない。背景にあることとして、水量が重要になってくるためで、外径とは関係しないためにこうした呼び径が重要な意味を持ってくることになる。ただし、型枠を通さなければならないときなどには、外径も重要な意味を持ってくることがある。
呼び樋
読み:よびとい
「呼び樋」とは、竪樋と軒樋をつなぐための樋のこと。ルーフドレインとつないだりすることもある。集水桝である鮟鱇(あんこう)から竪樋を結ぶ分であり、斜めに取り付けられた樋であり、雨水を流すために重要な役割を持つ。寸法的には、竪樋と同じ系統の物を使うことで、排水量を一定にすることができるうえ、樋が詰まってしまうことも防ぎやすくなる。左右に枝分かれした樋をつないで落としていく部分ではある物の斜めに取り付けることになり、壁による支えがない。荷重がかかるうえにどうしても弱い部分となるため、ていねいに施工する必要がある。接続部分を含めて呼び樋となってきていることから、鮟鱇と同じ意味として使われることも増えてきている。
ら
ライトロンロッド
読み:らいとろんろっど
外壁間の目地へ使用する棒状の発泡体です。建築・土木用弾性シーラントに最適のバックアップ材(目地材)として広く使用されています。使用することによって隙間をなくし、仕上げのシーリングの量の削減にもなります。
ラーメン構造
読み:らーめんこうぞう
「ラーメン構造」とは、一般に柱、梁を剛に接合した箱枠状の骨組をラーメンと言うのだが、このラーメンを用いた構造の総称である。鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造に用いられているが、昨今は鉄骨造にも用いられるようになってきた。また、純粋なラーメン構造のみの建物は少なく、ラーメン構造と耐力壁、またはトラスを組み合わせた物が多い。なお、ラーメン(rahmen)は独語であり、枠、フレームのこと。柱と梁、最近の中高層マンションなどに採用されているのは、床板のみで構成する「純ラーメン構造」、さらに耐震壁を適宜入れ込む「耐震壁付ラーメン構造」である。高い耐震性と耐風性を発揮する一方、建設費用がかかり、音が響きやすいなどの問題点も指摘される。
る
ルーフドレイン
読み:るーふどれいん
「ルーフドレイン」とは、陸屋根の屋上やバルコニーなどで雨水を集めて竪樋に流すための雨水排水金具のこと。RDと略される。鉄製、鋳鉄製や、耐蝕性を高めたステンレス製のものが多い。ルーフドレインにもタイプがある。屋上用と、バルコニーなどに設置する中継用の二種類だ。個人住宅でも屋上スペースを活用して屋上庭園等を設けるために陸屋根式の住宅建築が増えていることから、ルーフドレインの利用も増えている。ルーフドレインは寒冷地で使用しようとする際には施工に中止が必要である、積雪が多い寒冷地では、排水管が凍結した際に熱によって溶けた融雪水が屋上にたまって、施工の甘い部分から漏水する危険性があるため、設置部分周りの防水や漏水防止加工を慎重に行なう。
ろ
露出防水
読み:ろしゅつぼうすい
防水層を保護するためのコンクリート打ちやモルタル塗りを行わず,防水層がそのままむきだしになる防水工法のことで,人の歩行しない屋根などに用いる。
ローバル
読み:ろーばる
ローバルとは、ローバル株式会社の取り扱うサビ止め塗料の商品名。常温亜鉛めっきの塗布剤で60年以上の歴史があります。塗膜中の亜鉛含有量が96%もあり、重ね塗り不要のもの、スプレータイプ等、取り扱う商品もバリエーション豊富です。長期間メンテナンスフリーであり、日差しが強く、高温多湿、塩害地域に当たる宮古島の暴露試験場では始めてから15年間サビが見られていないそう。一般サビ止め塗料と比較しても速乾性であり工期が1/3で済むので低コスト。使用シーンを選ばず、建築関連のみならず車両関連、船舶関連、多ジャンルに使用されているオールマイティ塗料です。
わ
割り栗石
読み:わりぐりいし
「割り栗石」とは、基礎の沈下を防ぐために、基礎の下に敷き並べる10cmから15cm程度の石のこと。割栗石を手作業で立たせて並べて、隙間に目潰し砂利をまいてランマーで突き固めるのが理想的とされる工法。布基礎であれば施工する面積も少ないが、最近は面積が広いベタ基礎を採用する場合が多く、手間が掛かる。そのため、小端立てにする作業は行なわないのが一般的。また、良好な地盤であったり、表層改良された地盤であったりする場合は割栗石を使わないことも多い。割栗石により地業が行なわれた後は、防湿シートを被せ、捨てコンを施して基礎工事を行なっていく。割栗石を用いる地番は目安として長期地耐力で30?150kN/㎡の範囲が望ましいと考えられている。